先天性胆道拡張症の症状

先天性胆道拡張症の症状は、主に腹痛・黄疸・腹部腫瘤の3つが挙げられます。

こどものときに見つかることが多いですが、大人になって発見されることもあります。

腹痛は繰り返し起こり、なかには発熱や嘔吐を伴うこともあります。脂っぽいものを食べた後に起こる場合が多いのが特徴です。腹痛などの症状は人によって程度が大きく異なり、毎回吐き気が起こる人もいれば、軽い腹痛だけを繰り返している人もいます。
  
症状が進行すると黄疸があらわれるようになったり、胆道がさらに拡張して腹部腫瘤(おなかのしこり)が認められるようになります。中には、便が白っぽくなる人もいます。

先天性胆道拡張症の原因

先天性胆道拡張症には胆管と膵管の合流する形態の異常を伴うことが多く、合流異常に伴って膵液が胆管内へ逆流することが原因になっていると考えられています。
もともと、膵臓で作られた膵液と、肝臓で作られた胆汁は、それぞれ膵管と胆管を通って、十二指腸で合流し、消化吸収を助けます。
しかし、胆汁の通り道である胆管に膵液が逆流してしまうと、胆管に傷をつけてしまい、腹痛などの症状を引き起こしてしまいます。
  

先天性胆道拡張症の治療法

先天性胆道拡張症は、明らかな予防法はありませんが、早期発見が大切になります。
  
食後の腹痛や吐き気が繰り返し起こる場合は、軽度であっても早めに医療機関に相談すると安心です。また、赤ちゃんの場合は大人が異変をキャッチする必要があります。特に便が、白っぽかったり、クリーム色、薄黄色、うす灰色などの場合は注意が必要です。
   
また、白目が黄色っぽかったり、おなかにしこりがある場合も、先天性胆道拡張症をはじめ何かしらの疾患が疑われます。

先天性胆道拡張症を放っておくと、胆管炎や肝障害を起こす場合があります。また、胆道がんや胆のうがんの発生率が高くなるため、手術を要します。