慢性肉芽腫症の症状

慢性肉芽腫症は、細菌や真菌などが侵入した時に殺菌する体内の防御反応が弱くなる病気なので、黄色ブドウ菌や大腸菌やさまざまな細菌、真菌などの感染症を繰り返すようになります。また、肺や肝臓や消化管などに肉芽腫を形成します。
  
治療は発症した疾患や、その重症度によって変わってきますが、継続的な抗生物質の投与などが必要です。重度の場合は顆粒球輸血や骨髄移植などの選択も視野に入れる場合もあります。
   
発症はほとんどが生後数か月からはじまり、難治性の感染症を繰り返します。ただし、なかには小児になってから発症する場合もあります。

慢性肉芽腫症の原因

慢性肉芽腫症の原因は、白血球の殺菌機能をつかさどる活性化酸素化合物(スーパーオキサイドや過酸化水素)の生産低下による、食細胞の機能不全があげられます。殺菌を行うまでのプロセスは正常なのですが、殺菌がしきれなくなるため、さまざまな感染症を引き起こしやすくなります。また、重症化しやすくなります。
  
遺伝性の病気と考えられていますが、家族に患者がいない例もみられます。また、慢性肉芽腫症は伴性劣性遺伝と常染色体劣性遺伝で発症することがわかっており、女性よりも男性の発症率が高い傾向があり、日本ではおよそ7:1です。

慢性肉芽腫症の治療法

慢性肉芽腫症自体の予防法はありません。慢性肉芽腫症は非常にまれな病気のため、発症した場合、専門の医療機関にかかり、治療や経過観察を行うことが重要です。
  
各臓器に肉芽形成を伴うことから、以前は予後不良とされてきましたが、医療の発展によって予後が改善されつつあります。
現在の治療には抗菌薬の投与、感染症の発生予防を目的としたインターフェロン、骨髄移植、遺伝子治療等、様々な治療法が開発されつつあります。

また、普段の生活で感染を防ぐことも大切です。医師の指示に従いながら、できるだけ早めにワクチン接種などを行うようにします。ただし、BCGの接種はしてはいけません。また、細菌などが体に入らないように注意するようにします。手洗いうがいをしっかりし、生卵や生肉などの食事は細菌感染の原因となるので避けるようにします。