肺動脈狭窄の症状

「肺動脈狭窄」は先天性の病気で幼児、小児だけではなく大人になっても発症する病気です。
軽度の肺動脈狭窄では自覚する症状はほとんどありません。先天的に肺動脈狭窄であっても一生にわたって症状を感じることなく過ごせることが多いのが特徴です。

症状が中程度の場合は幼少期には症状がないものの、年齢を経るにしたがって運動時に呼吸が苦しくなったり疲労感を覚えたりなどの症状が見られるようになります。重度の狭窄の場合は乳幼児期に発症することが多く新生児の時からチアノーゼや多呼吸、肺腫大などの早急に治療が必要となる症状が見られます。

肺動脈狭窄の原因

「肺動脈狭窄」は先天性の病気で生まれながらに肺動脈の一部が狭窄していることが原因です。肺動脈狭窄は
・肺動脈そのものが狭くなっている
・肺動脈弁が小さい
・肺動脈弁同士がくっついてしまっている
といくつかの要因が考えられています。

右心室につながる肺静脈が狭窄してしまうために血液が流れにくくなり、結果として右心室の圧が高くなります。症状が悪化すると右心不全に進行していってしまうため治療が必要となります。軽度の場合は自覚症状がなく、健康診断などの際に心雑音が聴取されて発見されることがあります。幼少期は症状がなく過ごせても30代から50代にかけて症状が出ることがあります。

肺動脈狭窄の治療法

「肺動脈狭窄」は先天性の病気のため予防法はありません。肺動脈に狭窄があり軽度から中度の症状がみられる場合には激しい運動は行わないなど運動制限が必要になることがあります。狭窄だけでなく右心室に不全の兆候がみられる時には利尿剤を内服することもあります。

右心室から肺動脈への血流が悪くなり、右心室の圧が上がって肥大している場合などはバルーンやカテーテルによる治療も可能です。幼少期にカテーテル手術を行っても年齢を経て再発することもあるため継続的な検診が必要になります。