新生児黄疸(高ビリルビン血症)の症状

生理的な新生児高ビリルビン血症は、皮膚の色が黄色くなり白目の部分が黄色味を帯びるようなる新生児黄疸で、ほとんどの新生児が生後2日~2週間程度でみられます。また、母乳を飲んでいる新生児では生後1週間~1ヶ月、長引くときは2ヶ月まで続く母乳性黄疸がみられます。
病的なものでは、血液型不適合妊娠(ABO式・Rh式)によるもので生後24時間以内に現れる早発黄疸があり、同時に貧血を伴う場合があります。Rh式の場合は重症化しやすくなります。また、新生児敗血症、胆道閉鎖症、新生児肝炎などの疾患でビリルビン濃度が高くなり、高ビリルビン血症が起き、黄疸が発生する場合があります。病的な黄疸では重症の核黄疸を伴うときもあり神経障害の後遺症を残すことがあります。胆道閉鎖症では治療を行わないと肝硬変になり死亡してしまう危険性があります。

新生児黄疸(高ビリルビン血症)の原因

生理的な新生児高ビリルビン血症では、胎児のときには胎盤から酸素をとるために多くの赤血球を増やして必要な酸素を確保します。しかし、出産後は肺で呼吸を行うために十分な酸素がとれ赤血球過多となり破壊されてビリルビンが過剰に生成されて、高ビリルビンとなり、体内の組織に蓄積されて黄疸が起こります。母乳性黄疸では母乳の中の成分によりこの症状が起こります。
病的な原因の血液型不適合妊娠では、母親と子供の血液型不適合によって2回目以降の妊娠で発症する場合が多いです。新生児敗血症では、細菌の感染によって血液中に入った細菌が増殖して異常をきたし黄疸が現れます。胆道閉鎖症では、肝臓で作られた胆汁(ビリルビンを含む)が十二指腸に流れないために黄疸が起こります。新生児肝炎では、様々な理由により肝臓の細胞が傷害を受けて働きが障害され黄疸が現れます。

新生児黄疸(高ビリルビン血症)の治療法

生理的な新生児高ビリルビン血症の治療では、通常は自然に治りますが黄疸が強い場合には光線療法を行います。病的な血液型不適合妊娠の治療では、光線療法や重症の場合には交換血液が必要になります。

また、Rh式では免疫グロブリンの点滴静脈注射を行うことで予防を行います。新生児敗血症では、抗生剤の投与を行い重症な場合には交換輸血などが必要になります。胆道閉鎖症では、胆道の閉鎖を取り除く手術を行い手術をしても改善されない場合や既に肝機能障害が進行した場合には肝移植が必要になります。新生児肝炎では、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の補充や胆汁排泄促進剤などの投与を行います。脳神経がビリルビンに侵され重症になる核黄疸を予防するためにも早期の治療が重要になります。