症状

細菌性急性胃腸炎の症状は細菌の種類によって異なります。毒素型の黄色ブドウ球菌は嘔吐、腹痛、下痢、ボツリヌス菌は嘔吐や胃腸障害、神経障害が現れ重症化すると呼吸障害が生じ死に至る場合もあります。
  
感染型の腸炎ビブリオは腹痛や下痢、稀に血便や発熱、嘔吐。サルモネラは嘔吐、腹痛、下痢、発熱。カンピロバクターは下痢、腹痛、高熱、また、頭痛や悪寒、筋肉痛などの初期の風邪の様な症状。リステリアはインフルエンザの様な発熱、頭痛、嘔吐。病原性大腸菌は嘔吐、下痢、腹痛。0-157では血便や重症の溶血性尿素症症候群や脳症といった命にかかわる病気を引き起こします。
  
中間型のウェルシュ菌は下痢や腹痛、セレウス菌は嘔吐型と下痢型の2種類あります。
食中毒である毒素型のボツリヌス菌と感染型のリステリアは細菌性急性胃腸炎での症状を通常では起こりにくいです。

原因

細菌性急性胃腸炎は細菌感染による食中毒が原因となります。細菌の種類により原因となる食品と潜伏期間を詳しく説明します。
  
毒素型の黄色ブドウ球菌はおにぎりやサンドイッチ等で潜伏期間は1~5時間、ボツリヌス菌は缶詰・瓶詰やハム・ソーセージ等で潜伏期間は12~36時間で乳児の感染は特に注意が必要です。
  
感染型の腸炎ビブリオは魚介類で潜伏期間は6~12時間、サルモネラは鶏卵や鳥肉等で潜伏期間は12~48時間、カンピロバクターは食肉や井戸水等で潜伏期間は2~11日、リステリアは生チーズやソーセージ等で潜伏期間は平均3週間、病原性大腸菌は生食肉や井戸水等で潜伏期間は1~5日でO-157の潜伏期間は2~7日と長くなっています。
  
中間型のウェルシュ菌はカレーやシチュー等の煮込み料理を室温で保存していた場合で潜伏期間は8~24時間、セレウス菌はチャーハンやオムライス等で潜伏期間1~5時間です。

治療法

細菌性急性胃腸炎の予防は細菌をつけない、細菌を増やさない、細菌を殺すことが大切となります。
  
家庭での予防は、食品を購入するときは新鮮な物を購入して持ち帰ったらすぐに冷蔵庫に入れ、キッチンは日常的に掃除してタオルやふきんは頻繁に交換を行い清潔にします。
食品の調理の前には、必ず手洗いを行い途中で生の肉や魚を調理した後には手を洗うことが大切です。また、生肉や魚を調理したときに使用したまな板や包丁は丁寧に洗うか、別々のまな板や包丁を用意して使い分けることが勧められます。
 
他にも、食事の前は手を洗い、食べ残した食品は室温に長く放置せずに早く保存して、再び食すときはよく加熱して食べるようにすることが重要です。