ウイルス関連血球貪食症候群の症状

ウイルス関連血球貪食症候群は主にヘルペス属ウイルスの感染によって発病する疾患として認知されていますが、その他のウイルスでも発病にいたる場合があります。そのため、感染したウイルスの種類によっては症状が微妙に異なってきます。
発症頻度の高いものとして、発熱、肝脾腫、リンパ節腫大、黄疸、発疹、そして脳症、髄膜症、痙攣といった症状があります。
また、検査値における異常でもっとも目立つ血球の減少も挙げられます。減少程度には個人差がありますが、血球の減少は進行性であることが確認されています。

ウイルス関連血球貪食症候群の原因

ウイルス関連血球貪食症候群の発病にいたる原因はウイルスによる感染です。その代表格と目されているのがヘルペス属ウイルスです。

しかし、ウイルス関連血球貪食症候群の原因となるウイルスはヘルペス属ウイルス以外にも多数存在します。特にEBウイルス、サイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルスなどが発病にいたるウイルスとして知られています。

ほかにも、アデノウイルスやデングウイルス、肝炎ウイルスやHIV、インフルエンザウイルスやバラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルスや風疹ウイルスなど、そのウイルスが単体で引き起こす各種の疾患とは別に、上記のウイルスに感染後に免疫学的な異常が生じて、ウイルス関連血球貪食症候群の発病にいたります。

ウイルス関連血球貪食症候群の治療法

ウイルス関連血球貪食症候群はヘルペス属ウイルスをはじめとする多種多様なウイルスに感染することで発病します。そのため、ウイルス関連血球貪食症候群の発病を予防するためには、原因となる各種ウイルスの感染を予防することが重要です。
発病の代表格であるヘルペス属ウイルスの感染経路は、接触・飛沫感染のほか、免疫力の低下が原因で感染・発病にいたります。故に手洗い・うがいはもちろん、マスク着用や感染者との接触を極力さける必要があります。また、感染後の潜伏期間が15日前後となるため、感染者が確認された場合はワクチンの投与ないし抗ウイルス剤であるアシクロビルを用いて治療する場合があります。
また一旦、ウイルス関連血球貪食症候群を発症した場合、ステロイド、免疫抑制薬、免疫グロブリンなどの治療が必要となるため、専門機関での治療が望ましいです。