腟閉鎖症とは
腟閉鎖症とは、膣の発生が一部で損なわれた状態です。軽度の処女膜閉鎖症から膣欠損症まで、程度はさまざまです。原因は先天性異常と考えられています。子宮と卵管、卵巣は正常です。18歳になっても初経が出ず、月経の時期と一致して痛みが出るようなときには超閉鎖症の疑いがあるので、超音波検査やMRIなどの検査をしましょう。
症状
腟閉鎖症は、通常、中央部が開いているはずの処女膜が完全に閉じてしまっている状態のため、閉鎖した膣内や子宮、卵管に月経血や分泌物などが溜まります。そのために下腹部痛が起こったり、しこりができたり、腰痛を起こしたりします。また、膀胱刺激症状や排便痛を伴うことがあります。月経血の貯留度が高まると、下腹部にしこりを感じ、排尿障害や排便障害、持続的な腹痛が起こることがあります。また、狭窄の程度によって全く症状が出ない場合もありますが、膣が狭いために性交渉に問題を抱えることもあります。
それらの症状を、そのまま長期間放置してしまうと、子宮や膣や過伸展、変形して、不妊症の原因となることもあるので、腟閉鎖症の疑いがある場合は、必ず婦人科を受診して治療を行いましょう。
原因
腟閉鎖症の原因としては、先天性の異常、あるいは炎症や外傷などによって、女性性管の膣が閉塞、もしくは狭窄した状態を指します。胎児期に膣の発生段階で形成異常が起こり、一部もしくは全てが損なわれた状態です。思春期以降に定期的に腹痛や腰痛を起こします。思春期以降に無月経の場合は、膣閉鎖症を疑いがあります。腟閉鎖症は、ほとんどが膣上部の3分の1と、膣下部の3分の2との境界部によく起こり、腎臓の奇形を合併することがあります。月経が起こっても、流出路が閉鎖しているために、月経血が排出されずに膣内や子宮、卵管に月経血が溜まり、月に1度、定期的にかなり重度の下腹部痛が起きます。手術をすれば、改善することができます。
治療法
腟閉鎖症は、予防することはできません。思春期を過ぎても月経がこなかったり、月1回定期的に腹部や腰部に強い痛みや、下腹部にしこりができている場合は、婦人科、産婦人科もしくは小児科を受診して、内診を中心に、超音波検査やCT検査で膣や子宮に月経血や分泌物が溜まっていないかを検査します。受診前には、排卵の有無の確認が必要なため、基礎体温を測っておきましょう。治療では、軽度の処女膜閉鎖症では簡単な切開手術で済みます。
しかし、膣欠損症の場合は、膣を造る手術が必要になります。子宮に異常を伴う場合には不妊症となる場合もあるので、造膣して性交渉を可能にする必要があります。施術は20歳前後を目安に行われます。
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