ポリオ/急性灰白髄炎の症状

ポリオに感染した場合、90~95%の人には症状が現れないまま、免疫ができます。しかし、感染から3~35日後に、風邪に似たのどの痛みや発熱、頭痛、下痢、嘔吐といった症状が現れます。
1~2%の人は、さらに無菌性髄膜炎を引き起こします。麻痺を後遺症に起こしてしまうのは1000例に1例位と考えられています。
麻痺型ポリオを発病する場合の潜伏期間は、6~20日で、筋肉痛表在反射消失などの前駆症状が1~10日ほど続きます。前駆症状が収まった後に、四肢の非対称性の弛緩性麻痺が現れます。麻痺は片側の脚だけに出やすいとされます。なかには、飲み込みや呼吸、発語に障害が現れる場合があるので注意します。
発症から12か月以上たっても麻痺や筋肉低下が残っている場合は、後遺症をもたらす可能性が高いです。

ポリオ/急性灰白髄炎の原因

ポリオの原因は、ポリオウイルスが中枢神経感染することです。病原体のポリオウイルスは、3種類の異なる抗原性があります。
ヒトのみを自然宿主とし、糞便中に排泄された後に口から体内に侵入します。侵入後は、喉頭や小腸の粘膜で増殖して血流に入り、血中を循環するうちに、ウイルスの一部が脊髄を中心とした中核神経系に到達します。
すると、運動神経ニューロンに感染及び増殖することで、脊髄全角炎を引き起こし、典型的なポリオ症状になります。
口から体内に侵入して感染してから発症までは、3~12日間です。

ポリオ/急性灰白髄炎の治療法

日本では、ポリオの予防に予防接種を行っています。
2013年8月までは、経口生ワクチンを、それ以降は不活化ポリオワクチンを注射で行っています。標準投与年齢は、生後3か月から18か月に設定されています。
ワクチンには3種類のポリオワクチンが含まれており、1回の投与だとすべてのウイルスが同じように腸管内で増殖する保障がないため、6週間以上あけて2回の接種が必要です。100%の抗体をもつためには、4回以上の投与が必要とされています。
麻痺が残ってしまった場合はリハビリテーションが主な治療となります。