肘内障の症状

肘内障の症状は、ひじが伸びた状態で手がだらりと下がったままになり、手を動かせなくなります。外見上、腫れや変形はありません。ひじを曲げたり、手を上げたりすると、子供が痛がって泣いたり、顔をしかめたりします。肩の脱臼や手のマヒと考えられがちですが、ひじの関節の親指側にある橈骨という骨の頭の部分が、関節にある輪状靱帯という筋から外れかかった、亜脱臼(不完全な脱臼)の状態です。
  
前腕を内側に回して前方から圧迫すれば治りますが、まずは整形外科や接骨院にかかることが大切です。骨折を起こしている可能性もあるため、医師に痛みが起きたときの状況を詳しく伝え、診断してもらいます。

肘内障の原因

肘内障は急に手を引っ張ったり、急に手をひねったり、転んで手を突いたりしたときに起こりやすい病気です。また、子供が寝返りをした際や、子供に服を無理に着せようとした際、子供と遊んでいる際に、腕がねじれて脱臼を起こすこともあります。あらゆる生活シーンに肘内障の可能性が潜んでいます。
  
脱臼は子供が腕を動かそうとしている間、あるいは日常の動作中に何かの拍子に整復されることもあります。腫れや変形がないため判断が難しいですが、子供がずっと痛がっている場合は要注意です。時間がたつと治りにくくなることがあります。

肘内障の治療法

肘内障は、一度脱臼を起こすと「くせ」になり、再発しやすくなるため、幼児の手を急に引っ張ったり、ひねったりしないように気をつけることが大切です。脱臼が整復されるとすぐに元の通り腕が使えるようになりますが、整復されてからの数日が再脱臼を起こしやすい時期です。患部に外から力を加えることがないよう注意します。
  
また、肘内障は幼児期特有の病気で、成長とともに橈骨が固まると脱臼しにくくなり、成人の発症はまれです。幼児期の間は注意をすることです。