進行性筋ジストロフィーの症状

進行性筋ジストロフィーは、筋肉の変性や萎縮などが進行し、同時に筋力の低下も招きます。いろいろと型がありますが、多いのが、幼児期に発症するデュシェンヌ型筋ジストロフィーです。
  
乳幼児期には目立つ症状が現れることは少なく、3歳から5歳くらいで、転びやすくなるなどの症状が現れ始めます。これは、進行が進み、腰周りの筋肉や大腿筋の筋力が低下するためです。10歳くらいになると歩行も困難になってきます。  
そして、思春期を迎える頃には、呼吸障害が見られることもあります。これは、呼吸筋にまでダメージが加わるようになるためで、人工呼吸器が必要になる場合もあります。しかし、中には比較的進行が遅く症状も軽いとされる、ベッカー型ジストロフィーなどもあります。

進行性筋ジストロフィーの原因

最も多いとされる、幼児期に発症するデュシェンヌ型筋ジストロフィーは、染色体劣性遺伝子が原因とされ、男の子だけに発症するとされ、女の子の場合には発症はせず保因者となります。
  
ジストロフィンには、筋肉の骨格を維持する役割があるのですが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの場合、遺伝子の異常が原因で、ジストロフィンをほとんど作り出すことができなくなります。そのため、筋細胞が破壊されやすくなり、筋力の低下に繋がってしまいます。
  
進行が遅く症状も軽いとされるベッカー型ジストロフィーは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因と同じく、染色体劣性遺伝ですが、異常ではあるもののジストロフィンを作り出すことが可能なため、経過は比較的良好とされています。

進行性筋ジストロフィーの治療法

進行性筋ジストロフィーの治療は、障害のレベルに合わせ、リハビリなどの治療が行われます。治療目的は、患者と家族のQOLの向上、つまり、生活の質の向上とされています。
  
心臓や呼吸器に障害が出るなどの合併症が出てきた場合には、それらに対しての治療も行われます。
進行を阻止するためにストレッチや関節可動域訓練を行い少しでも長く筋肉の機能を保つ治療を行います。