心筋炎とは
心筋炎とは心臓の筋肉に炎症が起きる病気です。ウイルスや細菌などの感染や、感染後の免疫反応、また川崎病、膠原病などが原因となります。心不全や不整脈・心膜炎を起こします。急速に発症した場合には、命にかかわることもあり、補助人工心臓で急性期を乗り切る方法が行われつつあります。
心筋炎の症状
急性心筋炎は無症状の場合もありますが、多くは風邪や腹痛などの消化器症状、発疹、筋肉痛、関節痛が前駆症状としてあります。その後1~2週間後までに胸痛、むくみや夜間の呼吸困難、チアノーゼなど心不全症状、動悸や失神など不整脈の症状が出てきます。症状の幅は広く、無症状の場合もあるものの、心不全や不整脈を起こしたときは、急速に死に至る場合もあります。最初は普通の風邪との区別が難しいですが、体温のわりに脈が速かったり、倦怠感やむくみを伴う呼吸困難があったりというように、だんだんと症状が重くなってきたときは早めに対処する必要があります。
心筋炎の原因
心筋炎の原因は大きく分けて感染性と非感染性の二つに分けられます。感染性のほとんどはウイルスによるものです。中でもコクサッキーウイルス、アデノウイルス、エコーウイルス、インフルエンザウイルスなどの、いわゆる日常普通に見られる「風邪ウイルス」によるものが主流です。そのほか、細菌や真菌、寄生虫などの感染によるものもあります。ただし、感染したとしても発症する確率はそれほど高くありません。発症するときは感染後数日から1週間ほどの間におこります。
一方、非感染性のものには膠原病による血管炎性や心筋炎、薬物、腫瘍などによるものがあります。
心筋炎の治療法
心筋炎は感染したからといって、必ずしも発症するわけではありませんし、症状が出ないまま治ってしまう場合もあります。しかし、突然死に至る場合もあります。風邪の症状が重い、呼吸困難や頻脈があるなどの症状がある場合は早めに循環器専門医の診断を受けたほうがいいでしょう。さらに不整脈や失神などが起こった場合は一刻も早く救急治療を受ける必要があります。また、10年~20年ほどたってから重い後遺症が現れることもあるため、経過観察をしてもらうことも大切です。
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