洞不全症候群の症状

洞不全症候群の症状は、アダムス・ストークス発作や、全身の倦怠感、乏尿などがあります。アダムス・ストークス発作とは、不整脈が原因の脳虚血症状です。めまい、失神、顔面蒼白、痙攣、呼吸停止などが起こります。脳虚血症状によって事故を起こす可能性や、心停止から拍動が回復しない場合は突然死することもあります。
徐脈頻脈症候群では、頻脈の時に動機を感じることがあります。
また、不整脈のため血栓が脳に流れ脳卒中を起こすこともあります。
以下は心電図上での特徴です。
心電図では洞徐脈の場合、脈拍数は40~50回/分以下で、心房興奮を反映するP波の、規則正しく現れる数が少なくなります。洞停止の場合、P波が突然現れなくなります。P波からQRS、T波へと続く関係は正常ですが、先行するP波を認めない場合があります。

洞不全症候群の原因

洞不全症候群の原因ははっきりとは分からないケースが比較的多いです。最も多いとされる原因は、加齢による洞結節、またその周辺の心房筋の繊維化による伝導障害です。
他には、心筋梗塞や冠状動脈硬化などの虚血性疾患、リウマチ性心炎、心膜炎などの炎症、膠原病や進行性金ジストロフィなどによる心筋症、外科手術時の機械的圧迫、遺伝性の家族性洞機能不全症候群などが原因となります。
慢性腎障害により、電解質異常や甲状腺疾患などによって起こることもあります。
また、洞結節の刺激発生を低下させる迷走神経の緊張亢進、高カリウム血症、高血圧治療薬、高不整脈薬、虚血性心疾患治療薬、精神疾患治療薬などの薬剤で症状が増強された結果、顕性化する場合があります。

洞不全症候群の治療法

洞不全症候群による徐脈、心停止などによる失神などを予防するには、ペースメーカーを植込みます。
症状が軽い場合は、洞結節の自発的興奮の回数を増やす薬剤を使用します。あまり薬が徐脈に反応しない場合や、中断した時に症状が悪化する場合にもペースメーカーを植込むことで徐脈を改善できます。
ペースメーカーは徐脈が現れた時のみ心臓を刺激することによって心拍数を正常にし、高度な徐脈を予防します。
徐脈頻脈症候群では、頻脈治療薬の投与で洞停止時間が長くなったり、徐脈の治療で頻脈発作時に脈拍数が以前より増加する可能性があり薬剤による治療がうまくいかないことが多いので、症状が強ければ徐脈治療のためにペースメーカーを植込んでから頻脈の治療をして発作を予防します。