大動脈弁閉鎖不全症の症状

大動脈弁閉鎖不全症は初期の段階ではほとんど症状が現れることはなく、普段通りの生活を送られている方がほとんどです。
弁の働きが徐々に悪くなってくると心臓への負担がかかるので、胸痛を生じたり、全身に酸素を含む血液が行き渡らなくなるので、急に階段を上り下りするなどの急な運動による息切れや呼吸困難に陥ったりといった症状が現れます。また夜間に呼吸が苦しくて左下を下にして眠れないなどの夜間発作性呼吸困難なども起きる危険性があります。この疾患は急性の場合もあり、急激な心不全が起きる危険性もあるので注意が必要です。
この疾患は内科検診での心雑音で発見されるケースがほとんどなので、心雑音の診断があったら早めに循環器系科のある内科で詳しい検査を受けたほうが良いでしょう。

大動脈弁閉鎖不全症の原因

大動脈弁閉鎖不全症の原因は、リュウマチ性熱による後遺症であったり、100人に1~2人の割合で存在する先天性の二尖弁(通常人の心臓の弁は3枚です)、感染性心内膜炎などの弁の障害、弁輪拡張症といった弁や心臓の働きが悪くなり起きる場合と、マルファン症候群、大動脈瘤などの大動脈の疾患が原因の場合とがあります。他に高安大動脈炎、梅毒などの疾患によるものもあります。
ここ数年増えているのが、動脈硬化によるもので、高齢者様を中心に若年性世代も例外ではありません。特に動脈瘤が原因による大動脈弁閉鎖不全症は、石灰化した動脈瘤の一部が血管を通り、脳の毛細血管で血栓となり脳卒中や脳血栓を招く恐れもあります。胸痛や息切れなどの何らかの症状が出たら、すぐに専門医に相談してみてください。

大動脈弁閉鎖不全症の治療法

大動脈弁閉鎖不全症の予防ですが、心臓や大動脈に負担をかけない生活が最も大切なので、十分な睡眠とバランスの良い食生活が最も大切です。
あと喫煙も厳禁です。ニコチンの影響で血管が収縮し、体内に運ばれる血液が一瞬減少し、極度の酸欠状態に陥り、無症状の大動脈弁閉鎖不全症の場合だと、症状を更に悪化させる怖れがあるからです。
自覚症状のない大動脈弁閉鎖不全症の場合ですと、定期的な検査と現在の心臓の状態を温存する治療で外科的手術を遅らせることができます。日常生活に気をつけ、細心の注意と検査をしていれば、現在の状態を維持することが可能です。