血栓性静脈炎けっせんせいじょうみゃくえん

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医師監修

血栓性静脈炎とは

血栓性静脈炎は、比較的表層の小静脈あるいは大静脈に、炎症を伴う血栓が形成される疾患です。細菌感染に対する局所反応としてみられることが多いです。
対して四肢、特に下肢の深部静脈に頻発する静脈血栓症は、深部静脈血栓症といわれます。
また、原因となる感染や炎症が存在しない血栓症を静脈血栓症といいます。

血栓性静脈炎の症状

血栓性静脈炎を起こした部位は索状の発赤と浮腫や痛みを伴う硬結を生じます。時には発熱や寒気といった感染症に類似した全身症状が出ることもあります。化膿性血栓性静脈炎を繰り返す場合には悪性腫瘍の発生に注意が必要です。
  
うっ血が原因で起こる深部静脈血栓症は急激に浮腫が現れ、数時間のうちに腫脹がみられるようになります。うっ血が高度になると、チアノーゼが現れたり強い疼痛が出るので緊急治療が必要となります。
  
慢性期には静脈血栓後症候群が起きることがあり、下肢の浮腫や倦怠感、静脈瘤といった症状がでます。下肢静脈瘤では下肢の疼痛がみられ、立位で増悪し下肢の挙上で改善します。重度の静脈瘤ではうっ滞性皮膚炎という病変が生じることがあります。

血栓性静脈炎の原因

(表在性)血栓性静脈炎と深部静脈血栓症は区別されるべきですが現在では混同して使われている面があります。血栓性静脈炎はカテーテルなどにより、細菌感染などの炎症が起こって静脈内に血栓ができるもので深部静脈血栓症は一般に感染を伴いません。
 
深部静脈血栓症は下肢の静脈血栓症として最も頻度の高いもので、原因としては心不全や慢性静脈炎、長期臥床といったことで起こる血流のうっ滞、外傷や手術、出産に伴って起きる静脈内膜の損傷、経口避妊薬やがんなどによる凝固亢進状態、高齢による静脈瘤や静脈硬化症、そして鎌状赤血球症があります。
  
静脈内膜の損傷としては、静脈カテーテルの留置といった医療行為に伴って静脈内膜が損傷する医原性の場合や静脈瘤によって静脈内膜が拡張し静脈圧が上昇することで静脈内膜が損傷する場合があります。ベーチェット病やバーチャー病に伴って血栓性静脈炎が起こることもあります。

血栓性静脈炎の治療法

血栓性静脈炎は安静、湿布、包帯を用いることで治る場合がほとんどです。難治性の場合は、抗血小板療法やワーファリンを用いて血栓を溶かしやすくします。血栓性静脈炎では細菌感染や静脈瘤炎を伴っている場合が多く、その場合には外科的な対応が必要となることもあります。
  
深部下肢静脈血栓症の場合には血栓の遊離による肺塞栓が懸念されるため全身的な抗凝固療法や線溶療法で対処します。場合によっては下大静脈にフィルターを挿入することで肺塞栓が予防できることもあります。血栓症の病変が広範に広がった場合、下肢の色素沈着や浮腫、硬結が起こりしばしば治療が難航します。
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