大動脈炎症候群の症状

大動脈やそこから枝分かれする太い動脈に炎症が起きる病気です。その炎症によって血管が狭くなったり、場合によっては詰まってしまったりします。
  
難治性疾患克服研究事業に指定されていることからも推測できるかもしれませんが、現状ではこの病気の原因は特定されていません。なんらかの感染がきっかけで発症し、血管の炎症が続くものではないかと考えられています。

大動脈炎症候群の原因

どの場所の大動脈に発症したかによって症状が異なってくるため、一概にどのような症状が一般的とはいえませんが、初期症状としては発熱や食欲不振、全身の倦怠感など、かぜの症状とあまり変わらないことが多いようです。
  
症状が進んで血管の狭窄や閉塞が始まってくると、たとえば脳に栄養を送る動脈に発症した場合、めまいや立ちくらみ、ひどくなると脳梗塞などが起こってくる可能性があります。また、腕に栄養を送る血管に発症すると、腕が疲れやすくなったり脈が取れないといった症状で出たりします。
  
約三分の一の患者さんは心臓の大動脈弁付近に発症しますが、それによって弁膜症を発症してしまう可能性があります。その場合、程度が重いと心臓の働きに後遺症が残る可能性があります。

大動脈炎症候群の治療法

炎症が起こっている状態ですので、ステロイドや免疫を抑える薬などを用いて炎症を抑える治療が基本になります。また、血管が狭くなっている状態であるため、血栓ができるのを予防する薬を使います。炎症が治まってからは、症状に応じた投薬治療を行うことになりますが、日常生活に大きな差し支えが出るような場合は、血管のバイパス手術を行うこともあります。
  
前述したように、大半の場合は日常生活に問題ないレベルまで回復しますが、約七割の方に再発が認められる病気ですので、治療後も定期的に診てもらうとよいです。また、まれに妊娠や出産を機に再発することもありますので、特に脳や心臓などに大きな障害を持っている場合は主治医の先生とよく相談することが勧められます。