アダムス・ストークス症候群の症状

アダムス・ストークス症候群の症状は、不整脈の種類や異常の継続時間によって異なります。
  
脳の虚血状態が非常に短時間の場合の症状は、めまい、一瞬意識が遠のく、手足の力が一瞬入らなくなるなどの程度です。心臓の異常が数秒以上続いた場合は失神などの意識障害を起こし、尿失禁、全身痙攣などが生じることもあります。
  
通常は数秒から数分程度で意識が回復しますが、心臓の動きが元に戻らない場合は死亡するケースもあります。意識が回復した場合はアダムス・ストークス症候群とされ、死亡した場合は心臓麻痺や突然死と呼ばれることになります。

アダムス・ストークス症候群の原因

心臓の上大静脈と右心房の境界あたり洞結節という結節があります。洞結節から発生した刺激が心房の壁から右心室の境界近くにある房室結節に伝達されることにより、心臓は規則正しく拍動します。
  
アダムス・ストークス症候群は洞結節で発する刺激の経路である刺激伝導系に障害が生じると、心臓が収縮しなくなり不整脈や心停止を来します。これにより脳に血液が送られなくなり、意識障害や痙攣などを引き起こします。
  
アダムス・ストークス症候群の原因は、5割~6割は房室ブロック、3割~4割が洞不全症候群とされていて、他に心室頻拍や心室細動などがあります。

アダムス・ストークス症候群の治療法

アダムス・ストークス症候群は、前兆がなく突然起こるため予測や予防は困難です。最初はめまいなどの軽い症状ですぐに消失しても、数時間後・数日後に繰り返すことがあるので注意が必要です。アダムス・ストークス症候群は、不整脈が起きている時に心電図をとることで診断がつきます。
  
徐脈が原因である場合は、意識消失発作の予防としてペースメーカーを埋め込みます。また、心室細動や心室頻拍の再発のリスクを伴う場合は、植え込み型除細動機が必要となります。