起立性低血圧症の症状

起立性低血圧症では、たちくらみ、突然目の前が暗くなる、気が遠くなる、足元がふらつくなどが代表的な症状です。横になっている状態から急に起き上がったときや、急に立ち上がったときに、上半身の血圧が低下するため、これらの症状がよく見られますが、横になって休むことで回復します。
  
また、めまいやふらつきといった起立時の血圧低下による症状が見られやすい時間帯は午前中です。食後に強く症状が出る場合があり、高齢者の場合は、一過性の意識消失発作を起こすこともあります。自律神経の失調が原因のため、症状としては、食欲不振、腹痛、頭痛、倦怠感などを併発することもあります。

起立性低血圧症の原因

横になった状態や、座った状態から立ち上がると、血液の一部が下肢に移行して静脈還流量が減少するため、心拍数の低下や血圧コントロールの刺激の減少がみられます。その際、調節反射の働きにより正常な血圧が維持されるという状態が正常です。
  
しかし、起立性低血圧症の場合は、自律神経のアンバランスなどが原因で反射調節が正常に行われず、立ち上がった時などに一時的に血圧が低下します。糖尿病、自己免疫疾患、中枢性疾患などの疾患が原因になります。また、降圧薬、向精神薬、利尿薬などの薬剤が原因で、起立性低血圧症がみられることがあるため、服用の際には注意が必要となります。

起立性低血圧症の治療法

起立性低血圧症の第一の予防策は、自律神経のバランスを正常な状態に維持することです。自律神経のアンバランスを引き起こす疾患がある場合は治療し、日常生活でもストレスや不規則な生活などに注意します。
  
また、起立時の急激な血液低下を防ぎ、めまいや立ちくらみの症状を出さないために、ゆっくり立ち上がる習慣をつけることも大切です。普段から規則正しい生活や適度な運動を行ったりすることも、起立性低血圧症の予防に効果があります。