肺動脈血栓塞栓症の症状

肺動脈血栓塞栓症の症状の出方は、肺動脈にどの程度の大きさの深部静脈血栓がとんできたかによって違ってきます。小さければ無症状で自覚がないこともあります。症状で最も多いのは突発性の呼吸困難で80%であり、胸痛を約半数、失神発作を10~30%の患者が経験しています。急に息苦しさを訴える人もいれば、少しずつ息苦しさが増してくる場合もあります。

また一度きりの発作でおわる場合と何度も繰り返す場合がありますが、どちらにしてもそのままにしておくと重症化する危険があるため直ちに病院で診察をうける必要があります。最悪の場合は突然心拍、呼吸が停止し死に至ることもあるので注意が必要です。

肺動脈血栓塞栓症の原因

肺動脈血栓塞栓症が起こるのは飛行機の中だけとは限りません。長時間同じ姿勢で足の血流が流れづらい状態にいた人が起こりやすいといわれています。例えば入院中安静にしていた人が退院後急に歩行を開始したことがきっかけで、足の静脈にできた血栓が静脈壁からはがれてしまい、発症することもあります。

また、血液が固まりやすいような環境や体質があると血栓ができやすくなります。体内の水分が不足していることや動脈硬化によっても血栓を作り出す原因になると知られています。もともと血液が固まりやすい体質の人もいます。お薬の一部などは血の塊が出来やすくなるものもあります。

肺動脈血栓塞栓症の治療法

肺動脈血栓塞栓症では特に脱水症状に気をつけることが大切です。予防として長時間飛行機に乗る時などにはまめに水分をとるようにするのが効果的です。アルコールやカフェインの入ったものも脱水になりやすいため控えるようにします。

足を上下に動かすストレッチを取り入れると血液の流れを円滑にしてくれます。肺動脈血栓塞栓症はエコノミー症候群に限らず、入院中や普段の生活の中でもおこる可能性のある病気ということを知識として持っておくことが大切です。
抗凝固療法、血栓溶解療法、経皮的血栓吸引破砕術等で治療されます。