抗リン脂質抗体症候群(APS)の症状

抗リン脂質抗体症候群の症状として、体内の血液が固まり血栓症となることで起きる障害が挙げられます。
  
具体的には、動脈の血栓では脳梗塞が、静脈の血栓では深部静脈血栓症が、比較的多くみられます。その他にも、心筋梗塞や肺梗塞など、血栓ができる部分によって全身さまざまな部分に症状があらわれます。繰り返す流産の原因となることもあります。また、これらの疾患を繰り返すことも特徴の一つです。
  
これらの疾患にかかっても、必ずしも抗リン脂質抗体症候群というわけではありませんが、特に40代以下で血栓症由来でこれらの症状がみられる場合は注意が必要です。また、女性は胎盤の血管に血栓ができることで、習慣流産や妊娠中毒症などになることがあります。

抗リン脂質抗体症候群(APS)の原因

抗リン脂質抗体症候群は、血液の中に抗リン脂質抗体という自己抗体ができることで起こります。しかしその原因はわかってはおりません。また、遺伝性でももないとされています。
  
この疾患は、単独で発症する原発性の場合と、他の疾患と合併して起こる場合があり、割合としてはおよそ半数ずつと考えられています。特に合併して起こる場合は、膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスを持っている人が多いのが特徴です。
  
抗リン脂質抗体症候群は、厚生労働省の難治性疾患克服研究事業に指定されており、今後の解明が期待されています。

抗リン脂質抗体症候群(APS)の治療法

抗リン脂質抗体症候群になった場合、治療においても、普段の生活においても、血栓を作らないようにすることが大切です。生活の中で注意することは、喫煙はひかえるようにすることです。あわせて高血圧や高脂血症にならないように、食生活を改善することも大切です。
  
また女性は、経口避妊薬は中止する必要があります。気になる症状があらわれた場合は、早めにリウマチ内科や血液内科、産婦人科などを受診するようにします。