"乳幼児突然死症候群"をご存知ですか? これは、字のとおり赤ちゃんが突然死をしてしまう症候群のことだそうですが、一体何が原因なのでしょうか。子どもが生まれたばかりの、親ごさんはもちろん、出産を控えている人には、とても不安になる病名ですよね。今回は、そんな乳幼児突然死症候群について、医師に伺いました。

■ どんな病気なの?

乳幼児突然死症候群は、SIDS (Sudden Infant Death Syndrome)ともいわれ、生まれた赤ちゃん6000〜7000人あたりに1人程度の頻度で発生しています。診断は、原則1歳未満の、それまで特に病歴などもなく元気だった赤ちゃんが、眠っている間に突然亡くなってしまい、事故や虐待といった原因も見当たらない場合、乳幼児突然死症候群と判断されます。もっとも多く確認されているのが、生後2〜6カ月程度の乳幼児で、この時期の子どもの大きな死因となっており、特に男女差はありません。

■ 原因は不明……。

残念ながら現在、原因ははっきりと解明されていません。生まれつきの、しかしすぐにははっきりしない代謝性疾患などが隠れていたり、その他色々な原因が重なっていたり、中には別の原因で亡くなっているにも関わらず、"乳幼児突然死症候群"としてまとめられているケースもあるといいます。

■ 乳幼児突然死症候群のリスクを高める5つの要素

ただ、この症候群がどういう時に起こりやすいのかといったことは研究され、以下がそのリスクを高めるということが解明されてきています。
1.早く生まれた早産児
2.体重が少なく生まれた低出生体重児
3.冬の時期、早朝から午前中の時間帯、うつぶせ寝をしている
4.家族が喫煙している
5.人工乳を飲んでいる

【医師からのアドバイス】

特にタバコは赤ちゃんの他の病気の原因にもなるので、赤ちゃんのいる家庭は一刻も早くタバコをやめることが必要です。また、うつ伏せ寝はなるべく避け、寝ているからといってあまり目をはなし過ぎないようにすることも大切です。赤ちゃんを突然失ってしまう悲しみに襲われないためにも、知識をもって対策をしていきたいですね。