妊娠をすると、赤ちゃんをおなかの中で育てるために、しっかり食事をとり、栄養をとることが大切になります。特に妊娠中は、鉄分が不足したり貧血になりやすくなります。

そこで今回は、妊娠中の鉄分の必要性について医師に解説していただきました。

妊娠すると何故鉄分不足になるの?

血液の中には赤血球という、体中に酸素を届ける役割を果たすものがあります。その赤血球を作るために重要な原料となるのが鉄分です。鉄分が足りなくなると赤血球が十分に作れなかったり、小さい形やいびつな形になったりしてしまい、貧血になります。

妊娠すると赤ちゃんを育てるために、体の中をめぐっている血液の量が多くなります。そのため、普段よりもたくさんの赤血球をつくる必要がありますが、それが追いつかなくなるため、貧血になりやすくなります。
加えて、つわりであまり食事がとれないため、鉄分がうまく摂取できず貧血になることもあります。

妊婦が貧血になると危険な場合も!

貧血のおもな症状は

・疲れやすい
・動悸や息切れがでる
・体がだるく感じる
・脱毛やぼーっとしてしまう

などがあげられます。

軽度の貧血では赤ちゃんには問題ありませんが、重度になってくると成長がうまくできない場合があります。また、貧血の状態で出産時に出血してしまうと、お母さんの命に関わるような危険性も大きくなるため、注意が必要です。

不足した赤血球をおぎなって作るために、妊娠中の女性は、妊娠していない時よりも約3倍の鉄分をとることが必要であるとされています。特に、妊娠中期以降は、妊娠していない時よりも血液の量がおよそ40%ほど多くなるので、意識して鉄分をたくさんとるようにする必要があります。

鉄分をたくさんとれる食品は?

貧血を防ぐためには鉄分を含む食品を摂取することが大切です。

・牛肉、豚肉など赤身の肉
・レバー
・あさりなどの貝類
・まぐろ、かつお、さんま、いわしなどの魚類
・大豆

など、たくさんのたんぱく質をとることが大切です。
また、小松菜やホウレン草、ひじきなどにも多く含まれています。同時にビタミン葉酸などもとり、吸収をうながすことも大切です。

【医師からのアドバイス】

妊娠中はつわりなどで思うように食事をとれない方も多いため、その場合は無理をせず、サプリなどを上手に取り入れて体調管理をしてくださいね。