生まれたての赤ちゃんのお肌はつるつるすべすべのイメージですが、とてもデリケートで弱いもの。
湿疹などができやすく、アトピー性皮膚炎になることもあります。
そこで今回は、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎について、医師に解説していただきました。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が壊れ、様々な外来抗原(がいらいこうげん)に対して過剰な免疫反応が生じ、その結果、皮膚のかゆみや発疹などの症状を呈することを指します。

皮膚に関しては、表皮という皮でしっかりと覆われてきて、体の外にあるものが、皮膚を通して体内に取り込まれる、ということは決してありません。掌に水をくんでも、吸収されることがないことから、簡単におわかりいただけると思いますが、これをバリア機能と呼びます。
しかし、皮膚は常にいろいろな外力にさらされていますので、ちょっとしたことで、傷が出来たり、薄くなったり、めくれたります。そうすると、外にある物質が皮膚の中にまで取り込まれてしまいます。

赤ちゃんはアトピーになりやすい?

基本的に、皮膚は外にある物質が体内に入っても、自然に追い出すだけで、体は何も反応しないのですが、繰り返し同じものが入ってきたり、体に対して刺激的なもの(外来抗原)の場合は、それに対して、強い反応を起こしてしまいます。

反応の結果、血液の中から白血球と呼ばれる外敵と戦うことを専門にする細胞が、皮膚に寄ってきて、そこで、いろいろな化学物質を放出します。
その結果、皮膚がかゆくなったり、赤くただれたりするということになります。これがアトピー性皮膚炎です。
赤ちゃんの場合は、皮膚のバリアが十分でなかったり、敵味方を見分ける力がまだ発達していないため、アトピー性皮膚炎が起こりやすいようです。

アトピー性皮膚炎を防ぐ3つのポイント

1.こまめに保湿する
皮膚バリアを人工的に作ることで予防できます。特に、乾燥すると皮膚が弱くなりますので、保湿剤を含むローションを塗ると効果的です。成人向けの者は余計に刺激を与えますので、赤ちゃん用のものをお買い求め下さい。

2.外来抗原を減らす
外来抗原の最も多いのが、ダニやハウスダスト、動物の毛です。
これらを少しでも減らすことで、アトピー性皮膚炎を減らせます。
こまめに掃除をしたり、埃が多いところに赤ちゃんを近づけないようにしましょう。

3.過剰な免疫反応を防ぐ
最近、離乳食も含めた食事と、免疫反応の関係が言われています。
例えば、偏食が多いと免疫反応が多く出ます。この時期、離乳食になるべく多くの食材を取り入れて、体に憶えさせることで、免疫反応が出にくいようにしましょう。
ただし、食事のアレルギーがある場合は詳しい検査が必要ですので、小児科を受診して下さい。

【医師からのアドバイス】

これらのポイントを押さえたうえで、防げるものは予防し、赤ちゃんのデリケートな肌を守ってあげたいですね。

(監修:Doctors Me医師)