若くても心不全になることがある!

心不全という言葉は比較的よく目にすると思います。心不全とは、さまざまな原因で心臓の機能が低下し、全身に十分な血液を送れない状態のことをいいます。原因不明の突然死を心不全ということもあります。心不全は中高年だけの病気のような印象がありますが、実は乳幼児を含む子供や若年者にもおこりうるのです。

心不全の原因はさまざまですが、中高年と若年者では、原因が異なります。
中高年の心不全の原因としては、狭心症、心筋梗塞に代表される虚血性心疾患、高血圧、心臓の中にある弁の異常でおこる弁膜症、不整脈などがあり、加齢による動脈硬化が原因の大部分を占めています。
一方、子供を含む若年者の心不全の原因としては、先天的な心臓の構造上の異常や、心臓の筋肉に血液を送る血管の先天的な奇形、心臓の筋肉の病気である心筋炎や心筋症などがあげられます。

こんな症状があったら心不全のサイン!

大人の心不全の典型的な症状には、次のようなものがあります。

1.疲れやすい、だるい、動悸がする
2.息苦しい、呼吸困難
3.体がむくむ(体重が1週間などの短期間で増える)
4.食欲不振


初期には平地を歩く時は問題ないのですが、坂道や階段を上がったり、重いものを持ったりした時に息切れが激しくなります。症状が進むと、静かにしていても息苦しさがあり、就寝時に体の上半身を起こして寝ると楽になります。
幼児や年長児の場合、激しい運動で失神しそうになったり、普段激しい運動をしていないのに脈が遅かったり、ふらつきや動悸があるがことがあります。乳幼児では、哺乳困難や体重増加不良、多呼吸、発汗過多などがみられます。
心不全は、病気が進むに従って治療が困難になり、回復するのに時間がかかるため、症状が軽いうちに治療することが大切です。乳幼児の場合は、原因によっては手術が必要になることもあります。

プロフィール

監修:医師 みわ先生