転院するときや大きい病院で「紹介状はお持ちですか?」と聞かれることもあります。テレビでは見たことあるけど、紹介状ってどんなものか、どうやったらもらえるのかなどわからないことが多いと感じる方もいらっしゃると思います。

今回のテーマは、病院の紹介状です。医師に紹介状についてお話を聞きました。

紹介状には、どのような情報が書かれているの?

医療機関で紹介状が登場する場面は、いくつかあります。
例えば、治療歴のある病気で違う病院を受診や初診予約するときです。このとき患者さんは「前の先生から紹介状をもらってきてください」と伝えられることがあります。
ほかにも、主治医からほかの科の受診を勧められて受診する場合に、受診前に紹介状を手渡されたりすることがあります。

紹介状は病院や先生によって、さまざまな形式があります。

一般的に書かれている内容は以下のものです。
・患者の名前、生年月日や住所、電話番号などの基本的情報
・症状やもしすでについているのであれば病名
・その程度や現在の治療内容
・今までの治療経過や合併症についての情報

また、転院による紹介を目的とした紹介状であれば、より専門的な医療機関への紹介や転院の理由が書いてある場合もあります。

アレルギーや今までの治療中にわかった何らかの有用な情報があれば、その患者さんを次に診察する先生に申し送る形式で記載します。

今までに行った検査の画像や血液検査などのデータも添えることがあるので、場合によっては予想以上に大きな包みになることもあります。

わたしたち患者がすることはある?

紹介状は正式名称を診療情報提供書と言います。通常多少の費用がかかることが一般的です。

紹介状、というと「どんなことが書かれているのかな」とちょっと身構えてしまう患者さんも多いようです。
基本的に医学的に現在の状態を伝え、不要な繰り返しの検査や投薬などを避けるための書類が紹介状です。

ただ、特に長い経過のある病気の場合、たった数枚の手紙で今までの状況をすべて伝えるのは非常に困難なものです。

可能であれば、患者さんご自身が今までの経過を踏まえて治療に対する希望などをまとめておくとよいでしょう。 それを紹介された病院を受診するとき、あるいは新しい先生と今後の治療方針を決める前までに、伝えられるようにしておくといいです。

【医師からのアドバイス】

今までの治療を生かして今後よりよい治療を受けるために、これまでの経過の情報を医師から得ておくことは大切なことです。

反対に、以前から治療が行われているのに、その情報がまったくないまま手探りでゼロから治療を行うのは非常にもったいないことです。「何となく言い出しにくいな…」と思っても、病院を変えるときには紹介状を受け取って、次の医療機関を受診するようにするといいですね。

(監修:Doctors Me 医師)