■ パニック障害の症状ってどんなもの?

「私、パニック障害なの」

「あの時、パニック障害みたいになった」

周りで、こんな言葉を聞いたことはありませんか?パニック障害って何だろう、「パニック」とはどう違うの?といった疑問にお答えします。

パニック障害では、パニック発作が出ることが特徴です。パニック発作では、突然何の理由もなく
・胸の苦しさや動悸
・めまい
・発汗
・手足の震え
などの症状が出ます。

通常10分以内に辛さはピークに達し,30分以内に収まります。この発作は繰り返しますが、毎回自分がこのまま死んでしまうのではないかと思うほど強く、自分ではコントロール出来ません。

そのため、救急車を呼んだり病院を受診するけれど、身体には異常がない、という場合にパニック障害と診断されます。この身体には異常がないことが診断上とても大切ですので、自分で「パニック障害かな?」と思っても一度は血液検査や心電図などの身体の検査をして専門医の診断を受けましょう。

■ 「自分で予測できない」というのがポイントです

同じような症状や恐怖感を伴うもの、例えば閉所恐怖症、高所恐怖症などでは特定の状況下で起こるので、多くの場合患者さんはその状況を予測して避けることが出来ます。

しかし、パニック発作はいつどこで起こるかわからないため、患者さんは常に「今にも発作が起きるのではないか」という強い不安を抱えて生活することになります。これを「予期不安」と呼びます。この予期不安のため、逃げたり、助けを求めにくい状況(人ごみや、飛行機、電車など)を避けたり、時には外出そのものを恐れるようになり、仕事や学業を継続出来なくなることもあります。

パニック障害の理解で大切なのは、内科的な検査で何の異常もなくても、本人は心筋梗塞や、狭心症の発作と同じようなとても辛い発作を体験しているということです。

プロフィール

監修:精神科医 ひなこ先生
卒後12年、専門は精神科。精神科病院、総合病院精神科、クリニックにて診療を経験。精神保健指定医、精神科専門医および指導医、産業医の資格あり。