どの女性にも、いずれおとずれる「更年期」。加齢による女性ホルモンの減少が原因で、それまで経験することのなかったさまざまな症状が出始めます。そんな更年期症状をやわらげる救世主として近年注目されているのが、大豆由来の「エクオール」という成分。いったいどのような効果があるのでしょうか。

今回は、更年期を上手に乗り越えるために知っておきたい「エクオール」について、Doctors Me編集部から詳しくご紹介します。

PART1:エクオールの3つの真実
PART2:エクオールが更年期症状をやわらげる!?

PART1:まずは知っておきたい!「エクオール」3つの真実

1. 大豆イソフラボン×腸内細菌 →「エクオール」


大豆に含まれるイソフラボンには、主に「ダイゼイン」「グリシテイン」「ゲニステイン」の3種類があります。そのうち「ダイゼイン」が、おなかの中の腸内細菌によって変換される代謝物のことを「エクオール」といいます。

2.「エクオール」は女性ホルモンに似た働きをする


大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをすることで知られていますが、実はそのパワーの源が「エクオール」であることが最近分かってきました。この「エクオール」こそが、大豆イソフラボンのままよりも、女性ホルモンのエストロゲンにより近い働きをして、女性の身体にさまざまな効果をもたらすのです。

出典:Marrian G et al.: Biochem J, 26(4), 1227-1232, 1932
   Axelson M et al.: Biochem J, 201(2), 353-357, 1982


3.「エクオール」をつくれる日本人は、2人に1人!?


しかしエクオールを生み出す腸内細菌は、すべての人の腸内にいるわけではありません。日本人の場合、エクオールを産生できる人は約50%。つまり2人に1人は、大豆イソフラボンをいくら摂ってもエクオールの効果を得られていないようです。
※中高年女性への調査(49.7±6.7歳)
出典:麻生武志ほか:日本女性医学学会雑誌20(2):313-332,2012
   内山成人:更年期と加齢のヘルスケア,7(1):26-31,2008

PART2:「エクオール」が更年期症状をやわらげる!?そのオドロキの結果をチェック

エクオールをつくれる人は「更年期症状」が軽い!


女性ホルモンの減少によって引き起こされる、更年期症状。体内でエクオールをつくれる人は、つくれない人に比べて、更年期症状のリスクが低いことが分かりました。つまりエクオールには、更年期症状をやわらげる効果が期待できるというわけです。
※体内のエクオール量は尿中のエクオール排泄量で測定
出典:福岡県栄養士会 更年期・閉経後女性46名のデータより
参照:http://www.meno-sg.net/equol/kounenki/index.html


エクオールの直接摂取で効果を実感!


では、エクオールを体内で産生できない人はどうしたらいいのでしょうか。
現在はエクオール含有のサプリメントなどで、直接エクオールを摂取することも可能です。実際にエクオールをつくれない女性たちが、エクオールを継続的に摂取することによって、以下のような効果が出ました。

顔や胸元などがカーッと熱くなり、のぼせやほてりの症状がでる「ホットフラッシュ」。エクオールがつくれない女性たちに12週間、10mgのエクオールを摂取し続けてもらったところ、ホットフラッシュの回数が減ったという結果が出ています。
出典:T Aso. et al., J Women’s Health 2012より改変
参照:http://www.meno-sg.net/equol/kounenki/index.html



更年期に出やすい首や肩のこり。エクオールがつくれない女性たちに12週間、10mgのエクオールを摂取し続けてもらったところ、症状が軽減したとの結果が出ました。
出典:T Aso. et al., J Women’s Health 2012より改変
参照:http://www.meno-sg.net/equol/kounenki/index.html



エクオールの効果が明らかになったのは更年期症状だけではありません。
女性ホルモンの減少とともに下がり始める、骨密度。エクオールがつくれない女性たちに1年間、10mgのエクオールを摂取し続けてもらったところ、骨量の減少を約半分に食い止める効果がありました。
出典:Tousen Y. et al., Menopause 2011より改変
参照:http://www.meno-sg.net/equol/shukanbyou/index.html


「エクオール」の美肌パワー!


皮膚への効果も期待されているエクオール。エクオールがつくれない女性たちに12週間、10mgのエクオールを摂取し続けてもらったところ、肌のシワが改善できたとのうれしい結果が!
出典:A Oyama. et al., Menopause 2012
参照:http://www.meno-sg.net/equol/sayou/index.html

「エクオール」を毎日継続!


研究では「毎日10mg」のエクオールを摂取した時に、上記のような効果が得られたようです。
エクオールを産生できない人や、エクオールの効果を効率的に得たい人はエクオール含有のサプリメントなどを活用するのも1つの手だと言えます。

エクオールは摂取後24時間で約8割が体外へ排出されてしまう、という実験データ(※)もありますので、毎日摂取することもポイントと言えそうです。
※出典:内山ら、第68回日本栄養・食糧学会大会発表資料,2014年

もちろん更年期症状には睡眠や食事、運動など、さまざまな生活習慣も影響します。上手にセルフケアして、更年期を楽しく乗り越えましょう!

≪TOPICS≫
エクオールを作りだす腸内細菌は「エクオール産生菌」と呼ばれ、現在15種類が確認されています。その中でも「ラクトコッカス20-92」と呼ばれる乳酸菌は、食品にも利用できることで注目されています。


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