虫歯を治療して、銀歯がある方も多いと思います。じつは、先進国で銀歯が主流なのは日本だけ!この銀歯によって「歯科金属アレルギー」が引き起こされることもあるそうです。

 

そこで、今回は「歯科金属アレルギー」について、彦坂実な美先生に解説をしていただきました。

 

銀歯とは

 

銀歯とは金、銀、パラジウムなどの合金で作られている被せ物です。日本では、2019年現在でも多くの銀歯治療が行われています。

 

銀歯の特徴は、耐久性がよく、硬く加工しやすいことです。一方で、金属アレルギーを起こしやすいパラジウムが使われていたり、隙間にプラークが溜まり、むし歯を引き起こしやすかったりとデメリットもあります。

 

歯科に使用される金属の中では、ニッケルやコバルトクロムもアレルギーを引き起こす原因となります。

 

 

金属アレルギーとは

金属は、唾液や汗に触れるとイオン化し、たんぱく質と結合することにより、アレルギー源となります。

 

人により許容量は異なりますが、許容量を超えると金属アレルギーが発症します。

 

金属アレルギーは、接触性皮膚炎(即時型)全身型金属アレルギー(遅延型)に大別されます。

 

 

歯科金属アレルギーの特徴

・銀歯や入れ歯に使われている金属は、長い年月をかけて体に蓄積されていく

 

・口腔内だけでなく、体の色々な部分に掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などの症状として出ることもある

 

・自分で気づきにくい

 

・多種の金属を口腔内に入れると、金属がイオン化しやすく、金属アレルギーが起こりやすい

 

・金属を外したからといって即時に症状が改善されるとは限らない

 

 

歯科金属アレルギーの症状

口内炎・舌炎

口腔粘膜の発赤、乾燥、舌の亀裂など、 口腔内の異常となって現れる場合があります。

 

味覚障害

口の中が粘つき、味覚障害が起こることがあります。金歯、銀歯、コバルトクロムなど、種類の違う金属を口腔内に入れると微細な電流が流れて味覚障害を生じたり、金属アレルギーにつながったりします。

 

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足の裏にプツプツとした水泡ができたり、かさぶたのようなものができたりします。

 

扁平苔癬(へんぺいたいせん)

口の中の粘膜に、白い線状やレース状の発疹が現れ、周囲が赤くただれ、ピリピリと痛むこともあります。

 

他にも以下のような症状が現れることもあります。

・脱毛症

・アトピー性皮膚炎

・血管浮腫 など

 

 

歯科金属アレルギーの検査

 

パッチテスト

皮膚科で行う場合が多く、アレルギーの疑いがある試薬を肌につけて反応をみます。

まず、パッチテストで検査することが多いです。

 

口腔内検査

視診やレントゲンにより、口腔内と歯の状態や金属があるかのチェックを行います。

 

歯科金属検査

詰め物やかぶせものの変色している場合に、金属の漏出度や帯電試験を行います。

 

毛髪検査

頭髪に蓄積されている有害金属の測定をします。

 

唾液検査

唾液分泌量やpHの測定をします。

 

 

歯科金属アレルギーの治療

金属の装飾品、歯科金属、銀歯などを取り除き、除去する「抗原除去療法」が一般的です。金属を取り除いてセラミックのかぶせものを着ける「メタルフリー治療」を行う場合もあります。

 

しかし、金属を取り除いたからといって、すぐに症状が改善されるわけではありません。体内に蓄積した金属イオンは長い年月残り、歯科金属アレルギーが完全に治ることは少ないです。

 

また、原因金属を取り除いたことで一時的に症状が強くなり、その後徐々に改善していくこともあります。

 

 

歯科医師からのアドバイス

日本では、歯が悪くなってから歯科医院へ行くというイメージがあり、長年、歯科医も多くの銀歯を入れてきました。

 

銀歯が絶対にいけない、粗悪品だというわけではありません。やはり、ないに越したことはないのです。金属アレルギーのリスクは、常にあります。

 

口腔内に銀歯が増えないよう予防をし、定期健診、歯科医院での歯のクリーニングを受ける習慣を身につけることが大切です。

 

銀歯より、セラミックのほうがアレルギーのリスクは低いです。安いからという理由で治療方針を決めるのではなく、自身の健康をしっかり考えてほしいと思います。

 

参考

日本メタルフリー学会資料等