水虫は一度かかるとなかなか治らず、痒くて気持ちが悪いものです。また、人にうつしてしまう可能性もあるため、裸足になるのにも気を遣ってしまいますね。
特に梅雨の時期はジメジメしていて、水虫になりやすいので注意したいものです。あなたの足は大丈夫でしょうか?
今回は水虫が感染しやすい場所や対策について、皮膚科医の竹中美恵子先生に解説してもらいました。
そもそも水虫の正体とは
水虫は正式名称を「白癬(はくせん)」といい、白癬菌というカビの一種が原因となって起きる病気です。
白癬菌のうち人間に感染するものの多くは、人間の皮膚や爪にあるケラチンという成分を栄養源として好むため、足や爪といった部位が水虫に罹ってしまうことが多いと考えられています。
水虫の感染経路
水虫は、水虫の人の患部から落ちた垢を別の人が踏むことで、感染が起こります。
特に、多数の人が共用する公衆浴場のバスマットやスリッパは、白癬菌が繁殖しやすい高温多湿の場所でもあるので注意が必要です。
また、皮膚の表面に汗や汚れなどアルカリ性の物質があると、白癬菌はより繁殖しやすくなります。
ただし、空気感染したり、水虫に罹っている方の足に直接触れたりして感染することはありません。
そのため、水虫の方が同じ室内で足を掻いていたとしても、その菌を口から吸い込んで水虫になることはないので安心してください。
他の感染症と同様に、うつりやすさには体質もありますし、皮膚の表面に菌が入り込める傷があったりすると、より感染しやすくなるので気をつけてください。
水虫の対策
水虫の対策としては、以下の3つが大切です。
・よく洗って清潔にする
・足を蒸らさない
・白癬菌の感染を予防する
家庭内に感染者がいる場合は、足拭きマットやスリッパの共用はやめて、こまめに床を掃除しましょう。
また、夏はプールやレジャー施設などに行くことが増える季節です。足拭きマットを使った後は、もう一度自分のタオルで足を拭き直してください。
白癬菌の足への感染が成立するには、24時間以上かかります。つまり、1日1回、お風呂などで足についた菌を洗い流し、皮膚を清潔に保てば水虫に罹ることはほとんどないでしょう。
最後に竹中先生から一言
水虫は梅雨の時期から増え始め、6月〜8月のジメジメした暑い時期に最も多くなります。
清潔にする他に、塗り薬や飲み薬を使うのも効果的ですが、カビの薬はもし間違ったものを使用した場合、かぶれ等が出る可能性がある薬なので、むやみやたらに使うことはお勧めできません。
本当に水虫かどうかわからない場合は、まず皮膚科を受診してみてください。しっかりと清潔にし、乾燥させることが水虫対策のポイントですよ。
プロフィール
- 監修:医師 竹中 美恵子
- 広島大学附属幼稚園小学校中学校高等学校卒業 金沢医科大学卒業 平成23~28年 広島市民病院 小児科 神経小児科 平成28年12月~女医によるファミリークリニック 院長 日本小児科学会、日本小児神経学会、日本リウマチ学会、日本周産期新生児医学会 、日本アレルギー学会、日本小児皮膚科学会所属。 日本周産期新生児医学会認定新生児蘇生法専門コース取得。 小児慢性特定疾病指定医、難病指定医、子どもの心相談医、キレーション認定医。 レインボータウンFM 上野淳の東京夜会、広島ホームテレビ 子育て応援団、GINGER、25ans、週刊ポスト、えんじいな、広島そごう子育てコーナーコラム担当等 多数雑誌、テレビ、ラジオのメディアに出演。