梅雨が明けて、徐々に暑い日が多くなってきましたね。体が暑さになれるまでは、体調に気をつけたいものです。

 

今回は、熱中症に関するさまざまな疑問についてQ&A形式で井上先生に教えていただきました。

 

 

熱中症の症状は?

 

熱中症は、高温多湿な環境に長くいることで、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。

 

熱中症は症状で、軽度(熱けいれん)、中等度(熱疲労)、重度(熱射病)の3種類に分類されています。軽度では手足のこむら返りやめまい、中等度になると頭痛や吐き気、倦怠感などの症状を起こします。重症になると、けいれんや意識障害も起こる病気です。

 

 

熱中症かも…病院にいくべき目安は?

熱中症を疑われる人がいて万が一意識がないときは、すぐに救急車を呼んで病院に緊急搬送してください。

 

意識がある場合は、まずは日陰や冷房の効いた場所に移動してください。さらに、衣服の中にこもった熱を逃がすために、ネクタイやベルト、ボタンなどを外して衣服を緩めてください。可能であれば、氷枕などで体を冷却して、水分・塩分を摂取します。

 

意識があって受け答えができても、飲み込みが悪かったり、手に力が入らなかったりして、自力で水分摂取ができない状態であれば、すぐに病院に行く必要があります。

 

また、自力で水分や塩分の摂取ができるものの、30分ほど経過しても普段と違って、こむら返りや倦怠感が残る場合も病院にいきましょう。

 

 

くもりや雨の日でも熱中症になる?

熱中症は、暑い晴れた夏の日に起こるイメージがあるかもしれません。しかし、くもりや雨の日でも湿度が高いと、熱中症になることがあります。

 

人は体温の調整を、汗をかくことによって行います。かいた汗が蒸発するときに体温を奪うため、体温を下げることができるのです。湿度の高い蒸した日には、汗が蒸発しにくいため、熱が体内にこもりっぱなしになってしまいます。

 

そのため、くもりや雨の日でも、熱中症対策は必要です。特に、スコールのような夕立の後にも十分に注意してください。

 

 

熱中症は夜間でもなる?

 

熱中症は、炎天下の昼間に活動した際になることが多いです。しかし、高齢者の場合、夜や早朝に熱中症になり救急車で運ばれてくる方がよくみられます。

 

高齢者の中には、夜間に冷房をつける習慣がない方もおり、気付いたときには室温が高くなって寝ている間に熱中症にかかります。

 

対策として、夜間の室温調節をしっかり行いましょう。脱水の予防のために、寝る前に水をコップ1杯ほど飲むようにしましょう。

 

 

熱中症で命に関わることはある?

熱中症は、重症になると脳にむくみを生じることもあり、意識障害やショック症状を起こして命の危機に瀕することもあります。

 

特に気温の変化に順応する能力が低下している高齢者や、糖尿病や腎臓疾患などの基礎疾患を抱える人は、熱中症で命に関わるほど重篤になるリスクが高いです。熱中症を軽くみず、これから暑くなる季節には注意をしましょう。

 

 

熱中症の対策は何をすればよい?

 

熱中症の予防には、4点のポイントがあります。

 

1:体調が悪くないか確認する

1点目は、その日の体調が悪くないか確認することです。例えば、風邪をひいていたり、下痢をしていたりする状態で高温多湿な環境で過ごすと、疲労度が大きくて体温調整が上手くいきません。

 

とくに下痢では、体が脱水を起こすことがより多いため、注意してください。

 

2:前日にアルコールを飲み過ぎない

2点目は、前日にアルコールを飲み過ぎないことです。アルコールは利尿作用が強く、翌日も思った以上に体が脱水になっている状態です。

 

3:睡眠をきっちりとる

3点目は、睡眠をきっちりとることです。睡眠中は、唯一脳を休ませることができる時間です。

 

睡眠時間が短いまま翌日を迎えると、脳の体温調整を行う機能も鈍り、熱中症のリスクが高くなります。

 

4:朝ごはんをしっかり食べる

4点目は、朝ごはんをしっかり食べることです。朝ごはんを取ることで、必要な水分と塩分を摂取することができます。

 

朝食抜きで一日をスタートすると、脱水や塩分不足による熱中症のリスクが高まります。

 

 

最後に井上先生からのアドバイス

熱中症は、その言葉を聞いたことがないと言う人がほとんどいないくらい有名な疾患です。残念ながら、毎年死者も出るような警戒すべき疾患でもあります。

 

聞きなじみがあるからと言って、決して軽視しないでください。まずは個人でできる予防をしっかり行い、気温だけではなく湿度にも十分に注意して、熱中症対策を心がけましょう。