ヘルパンギーナは、夏に流行するいわゆる夏風邪の一種です。特に乳幼児に感染することが多いため、小さい子どもがいるご家庭は要注意だそうです。

 

今回は、今の時期に注意したいヘルパンギーナについて、井上先生に伺いました。

 

 

ヘルパンギーナってどんな病気?

ヘルパンギーナとは、発熱口の中や喉にできる水疱(水ぶくれ)が特徴のウイルス性咽頭炎です。

 

原因は、エンテロウイルス属に入っているウイルスです。そのなかでも「コクサッキーウイルスA群」が主な原因ウイルスです。

 

5歳以下の小さい子ども、特に乳幼児(1歳)に多く感染することが特徴です。エンテロウイルスに属するウイルスの特徴として、温かい時期に活発になることが挙げられます。日本では68月が流行期間になるため、まだまだ油断は禁物です。

 

感染経路

 

ヘルパンギーナの主な感染経路は、糞口感染(接触感染を含む)と飛沫感染(咳やくしゃみ)です。

 

糞口感染とは、ヘルパンギーナに感染している乳幼児が自分の便を触ってどこかにつけてしまい、それに別の乳幼児が触れてしまい、かつ手を口に入れてしまうことで感染することを指します。

 

 

主な症状は発熱と喉の痛み

エンテロウイルスの潜伏期は2~4日のため、数日前に感染してから症状が出てきます。主な症状は、発熱と、口の中や喉の奥にできる小さい直径1~2 mm程度の水疱(水ぶくれ)です。

 

急に発熱することが多く、38度を超える高熱が出ます。水疱は破れやすく、痛みを伴うため、食事が食べにくくなり食欲が低下します。

 

特に乳幼児の場合は、自分で食欲低下を訴えることができません。そのため、実際には不機嫌に見えたり、ミルクを飲まなかったりして気づくこともあります。

 

熱は4日ほどして下がり、その後に水疱も消失していくことが多いです。

 

 

治療法は?特効薬はない?

 

ヘルパンギーナはウイルスによる病気のため、抗菌薬などは全く効果がなく、特効薬もありません。そのため、痛みに対しては痛み止め、発熱には解熱剤といった症状に合わせた治療方法がとられます。

 

発熱すると体が脱水傾向になるうえに、口や喉の痛みで食事が上手く摂れないと、さらに脱水が進みます。こまめに水分補給を行ってください。

 

刺激のある飲み物や食べ物は避けて、経口補水液やゼリー、豆腐など食べやすいものを選びましょう。水分がとれないくらいに痛む場合は、点滴による水分補給が必要になります。その場合は、病院を受診しましょう。

 

また、ごくまれに髄膜炎に移行することがあります。その際は、頭痛や嘔吐などの症状が続くため、すぐに受診してください。

 

登園に関しては、症状が治まり、普段どおり食事が摂れるようになってからにしましょう。

 

 

ヘルパンギーナの予防法

 

ヘルパンギーナ感染者との密接な接触は避けましょう。うがい・手洗いを日頃から徹底して、感染しにくい環境をつくることも重要です。

 

ヘルパンギーナは、5歳以下の小さい子どもに起こりやすい病気です。子どもがいる家庭では、感染しないように十分な注意が必要です。

 

もちろん子どもだけではなく、大人が感染することもあります。保育園や幼稚園で感染者が出た場合は、特に手洗いを徹底するようにしましょう。

 

 

最後に井上先生からアドバイス

夏は冬と比較して、風邪などの感染症予防の意識が下がります。しかし、ヘルパンギーナは夏風邪の代表例であり、しっかり予防できる疾患です。

 

もしも感染したら、脱水には十分に注意して、水分摂取を欠かさないようにしましょう。

 

一般的には、1週間以内で完治する疾患です。それ以上の期間、発熱や水疱の症状が続いているようであれば、食事や水分がとれていたとしても、他の疾患の可能性もあります。自宅で様子をみずに、一度病院に連れて行ってあげてください。