医療分野における、3Dプリンターの技術革新

様々な分野で可能性を見せ、話題の絶えない3Dプリント技術。中でも医療分野では、たとえば、義手・義足やチタン製の関節、さらには人工骨、移植用の皮膚など、3Dプリンターが普及したことで大きな技術革新が起こりつつあります。

最近では、この3Dプリント技術が、「AGA(男性型脱毛症)」の治療において効果実感の切り札になるかもしれないと注目されています。

薄毛のケアとしてよく耳にする「AGA」とは?

「AGA(Androgentic Alopecia)」とは、男性型脱毛症を意味し、思春期以降増える男性ホルモンの変化の影響により、前頭部から頭頂部にかけて髪が細く薄毛化する症状を指します。

医療機関でのAGA治療は普及し、広く認知されていますが、感覚や満足度に伴う主観的な判断基準しかなく、その治療の効果を客観的に評価するのは依然として難しいと言われてきました。

そもそもAGA治療は、治療開始からすぐに効果が現れるものではなく長期的な治療が必要ですが、時として効果が客観視できないと満足感が得られず、治療に前向きになれなくなることもあるでしょう。

そこで、このような状況を打破するべく、3Dプリント技術を生かす動きが見えるようになってきたわけです。

AGA治療の前後の毛量を3Dで比較可能

先進的な例としては、AGA治療専門クリニックの「銀座総合美容クリニック」による、2Dではわかりづらい毛量の変化を3Dで客観的に評価する 「SCALP SCULPTURE」が挙げられ、治療効果をより可視化することが可能となっています。

当クリニックでは、以前より撮影した写真を分析し、毛量や毛量変化を数値化することができる「Medical Bold Scale(メディカルボールドスケール法)」を開発し、試験的に治療に導入してきましたが、「SCALP SCULPTURE」もまた効果をより分かりやすく評価するための一助になると言えるでしょう。

患者の満足度を高める新しい取り組みとして

やはり、AGA治療のキモは、患者が治療効果を実感して満足感を得ること。

3Dプリント技術が可能性を広げ、AGA治療における満足度の切り札になるのか。今後の展開に注目したいところです。


※参考:銀座総合美容クリニックホームページ
http://www.gincli.jp/