耳介軟骨膜炎の症状

耳介軟骨膜炎は、感染や刺激によって生じる疾患です。感染の初期段階では、耳介表面が少し腫れ上がり、赤みを伴う程度ですが、徐々に感染が広がると、耳たぶ全体が赤く腫れあがり厚ぼったくなります。
  
ひどくなると、熱を持ち、激しい痛みに襲われ、全身の発熱を伴う場合もあります。また、放置することで、次第に軟骨が壊死し、耳の変形を招く危険性があります。重症の場合には、10日ほど入院し、耳介切開手術が必要となるケースも少なくありません。初期段階の炎症を鎮めることで症状悪化を防ぐことができるため、自己判断をせず、耳鼻科を早めに受診することが大切です。

耳介軟骨膜炎の原因

耳介軟骨膜炎は、耳の怪我や手術などによる感染、虫さされや打撲、裂創、耳に負荷がかかる圧挫などの外傷が原因となり起こります。特に耳の前面は皮下組織が少ないため、感染やピアスの金属による機械的な刺激により炎症が軟膏膜に及びやすい傾向にあります。
  
感染原因菌は、細菌類を色素によって染色するグラム陰性菌に属する緑膿菌が多いとされていますが、ブドウ球菌やプロテウス属などの検出も見られます。また、極稀に耳介ヘルペスに続き発症することもあります。他にも、ペルメットを着脱する際、耳に強く触れたり、押し付けたりすることによる耳介血腫、低温が原因で生じる凍傷など外耳道炎に続いて起こる場合もあります。

耳介軟骨膜炎の治療法

耳介軟骨膜炎は予防が困難なものもありますが、金属アレルギーを持っている場合、ピアス装着を控えることで腫れや炎症リスクを軽減することができます。
  
すぐにできる予防法としてアイシングが効果的です。冷たすぎたり、長時間行うことで凍傷が生じたりするため、保冷剤や氷をガーゼ等に包むなどして、直接患部に氷を当てないようにします。
  
耳介軟骨膜炎は、浮腫や赤く腫れるといった症状だけではなく、軟骨を変形させてしまう可能性もあります。症状が出たら耳鼻科を受診し、早期発見・治療に努めることが大切です。