褐色細胞腫の症状

褐色細胞腫の症状は、主に6つの症状が挙げられます。
・高血圧
・頭痛
・血糖値の上昇
・代謝亢進(倦怠感など)
・発汗過多
・動悸
  
上記の症状は、継続的に起きている人もいますが、発作的に起きる人も少なくないです。発作が起きていないときは身体状態が正常である場合もあります。その他にも、動悸や顔面蒼白、視力障害など様々な身体症状がでることがあります。パニック障害などの精神症状などを呈する場合もあります。しかし、いずれもこの病気特有のものではありません。
  
合併症として、糖尿病や高脂血症などがみられる場合があり、悪性の褐色細胞腫の場合は、腫瘍の転移や腸閉塞、心不全等を起こす可能性があるので注意が必要です。

褐色細胞腫の原因

褐色細胞腫の原因は、ほとんどが不明とされています。一部では、遺伝的な要因も示唆されており、特に、家族内発生の場合は、RET癌遺伝子やVHL癌抑制遺伝子などの異常が指摘されています。
  
また、悪性の場合は、SDHB遺伝子の変異が認められています。近年では、コハク酸脱水素酵素遺伝子の変異が原因のひとつではないかと注目されていますが、いずれも研究段階です。
  
また、褐色細胞腫の合併症として、糖尿病や高脂血症などがみられる場合があります。悪性の褐色細胞腫の場合は、腫瘍の骨や肺などへの転移や腸閉塞、心不全等を起こす可能性があるので注意が必要です。

褐色細胞腫の治療法

褐色細胞腫は、良性であれば、腫瘍の摘出などを行えば根治も見込めるため、早期発見と早期治療が大切です。発生する年代は幅広いものの、統計的には20~40代でピークを迎えます。
  
気になる症状があるとき、特に発作的な血圧の上昇やそれに伴った発汗、頭痛などが時々起こる場合は早めに内分泌・代謝科の専門医に相談するようことが勧められます。放置していると、命にかかわる重篤な症状を呈することもあるので注意が必要です。特に悪性高血圧に発展すると、高血圧性脳症や急性左心不全等を起こすことがあります。