電気性眼炎の症状

電気性眼炎の症状が現れるのは、強い紫外線にさらされたあと6時間から24時間後程度からです。日中に紫外線に暴露した場合、症状が現れるのは主に夜間になります。
  
紫外線によって皮膚が日焼けするのと同じ現象が眼球に起こります。眼球の角膜の上皮障害が生じて脱落し、びまん性表層角膜炎や上皮ビランが起こります。そのため強い眼痛(痛み)や羞明(まぶしさ)を感じ、流涙(涙が止まらなくなる)などの症状がでてきます。
  
大部分は一晩で完治しますが、痛みなどが非常に強く出た場合には救急外来での治療が必要となる場合もあります。後遺症となることは少ないのですが、さらされた時間が長時間の場合は数日間ほど症状が残ることがあります。

電気性眼炎の原因

電気性眼炎の原因は紫外線に直接眼球がさらされることです。具体的には、波長290nm付近の紫外線が原因となります。眼球中の黒目は紫外線の約90%を吸収するため、外からの過剰な紫外線は角膜がやけどをしたような状態になります。「皮膚の日焼けが眼球にも起きている」といえばわかりやすいかもしれません。紫外線の暴露から6〜12時間後に症状が出てきます。
  
紫外線の多い職場環境などが原因となって電気性眼炎になることがあります。殺菌灯を使用している病院、理美容院や紫外線の出る溶接装置などでも起きることがあります。太陽からの紫外線によっても同じ症状が起こるので、スキー、登山、海水浴など日差しの強い状態に長時間いた場合などにも電気性眼炎と同じ状態となります。

電気性眼炎の治療法

紫外線に角膜が暴露することによっておこるのが電気性眼炎です。よって、予防法はサングラスなどを使用して紫外線をカットすることです。殺菌灯を扱うとき、溶接の作業をするときには、ゴーグルを適切に使用することが必要です。

特に溶接作業の中でも、アーク溶接は非常に強い紫外線が発生するため、短時間でも電気性眼炎になる可能性があります。そのため、ゴーグルなど眼の保護具の着用は不可欠です。溶接の種類によって発生する紫外線の量が異なるため、保護具の遮光度が適切かどうかを確認する必要があります。また、適切にゴーグルなどの保護具を使用していても、電気性眼炎なる可能性があるので定期的な眼の健診をうけるなど注意が必要です。