先天緑内障/牛眼の症状

先天緑内障は生まれた時から両眼に起こるものが圧倒的に多いです。80%は生後1年以内に発症しますが、青年期になるまで症状が出ない症例もあります。
乳幼児期はまだ眼球が発育過程にあるので、眼球壁が柔らかく、眼圧上昇により眼球が拡大するため牛眼とも呼ばれています。
先天緑内障は角膜が異常に大きいことや角膜が白く混濁することにより気づかれるケースが多く、眼瞼痙攣や流涙、羞明(まぶしさ)を伴うことも多いです。眼圧は20mmhgを越え、角膜径は11mmを越え、角膜には角膜浮腫や輪状の混濁、視神経乳頭の陥凹、隅角には虹彩突起の異常などを認めます。
常染色体劣性遺伝で、女子より男子の方がやや多く、75%は両眼性です。

先天緑内障/牛眼の原因

先天緑内障は胎児期の隅角の形成異常により起こる病気です。常染色体劣性遺伝で、遺伝性はなく、形成異常になる原因ははっきりとはわかっていません。
他の先天性疾患を伴わず先天緑内障のみが起こるものを原発先天緑内障といい、約2~3万人に1人の頻度でみられます。他の疾患に伴って起こるものに比べて頻度は少ないです。
一方、他の先天性疾患に伴って起こる先天緑内障を続発先天緑内障といいます。続発先天緑内障にはマルファン症候群やリーガー症候群、先天無虹彩など目の疾患に伴うものや、スタージウェーバー症候群など全身疾患に伴うものもあります。目の疾患では角膜や虹彩の異常に伴うことが多く、全身疾患では顔面、皮膚、歯などさまざまな症状を起こす疾患に伴います。

先天緑内障/牛眼の治療法

先天緑内障は胎児期の隅角の形成異常が原因で起こる病気で、予防が難しい病気です。
緑内障は徐々に進行していく病気であり、早期発見、早期治療が非常に重要です。
先天緑内障のうち約80%は生後1年以内に発症しますが、この場合は角膜が異常に大きかったり、角膜に混濁がみられたりと症状に気づきやすく、眼瞼痙攣や流涙、羞明などを伴うことも多いので、早めに発見されて受診されることが多いです。
一方、青年期や成人してから発見される先天緑内障もあります。症状がほとんどなく、発見されたときにはかなり視野異常などが進行しているケースもみられます。
治療は、点眼や、原則として手術が行われます。