黄体機能不全とは
黄体機能不全とは、黄体が十分期間存続しなかったり黄体からホルモンが十分量分泌されないために黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不足している状態のことを言います。黄体ホルモンは排卵後に妊娠に適した状態に維持する働きがあるため、不足すると不妊の原因になることもあります。
黄体機能不全の症状
黄体機能不全が起こると、排卵後に正常より短い日数で子宮内膜がはがれてしまいます。そのため、月経周期が短くなったり、不正出血が起きたりします。また、身体が熱い、胸が張るなど、黄体期に自覚する症状があまり出ないということもあります。一方、ホルモン分泌が不十分になることで、黄体の存続そのものが短縮してしまうため、子宮内膜の形成が不十分になると、受精卵が着床しにくくなります。そのため、妊娠しにくくなり、不妊になることもあります。
基礎体温をつけると、高温期が短くなるため、この症状があるかどうかがわかります。
黄体機能不全の原因
卵巣機能は間脳視床下部、脳下垂体のはたらきによって調節されています。したがって、これらの機能に異常があると、適切な時期にホルモン分泌が行われなくなるため、黄体機能不全が起こります。また、卵巣そのものに異常が起こり、卵胞から黄体への移行する段階で不完全になったり、排卵障害が起こったりすることでも、機能不全が起こります。さらには、糖尿病などの全身性の病気、喫煙などの嗜好品、ストレスなども機能不全の症状を起こす原因となります。しかし、この他に原因不明の場合もあるので、婦人科で原因を調べてもらうことが必要です。
黄体機能不全の治療法
黄体機能不全を完全に予防することは難しいのですが、ホルモンの分泌を正常に維持することが、黄体機能不全の予防になると考えられます。そのためには、体を冷やさないようにする、暴飲暴食を避け、適度な運動をする、ストレスをためないようにするなど、身体の機能を正常に保つようにすることが、ホルモンの分泌を正常にし、ひいては機能不全の予防につながります。妊娠を希望する場合は基礎体温をつけ、疑わしければ早めに婦人科で調べてもらうといいでしょう。
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