ウエルシュ菌食中毒の症状

ウエルシュ菌食中毒による症状としては、腹部の膨満感に始まって、下痢や腹痛といった病状が現れてきます。しかしながら、発熱や吐き気といった病状を感じる事はあまりありません。毒素の作用によって、下痢や腹痛といった問題を引き起こすものの、ほとんどの場合には数日で自然に病気は回復します。ただし稀ながら、重い下痢を引き起こす例もあります。
  
ウエルシュ菌食中毒は、細菌性の食中毒の中では、病状は軽い部類に入り、治療の必要もなく回復するケースが多いです。しかし、他にブドウ球菌食中毒やボツリヌス食中毒など、病原菌や毒素を原因として中毒症状を引き起こす病気もあるため、他の病気の可能性も考慮に入れて病状を観察することが大切です。

ウエルシュ菌食中毒の原因

ウエルシュ菌食中毒が起きる原因は、ウエルシュ菌への感染です。また、ウエルシュ菌が生成するエンデロトキシンという下痢原生毒素によって、体の胃腸の不調を引き起こします。ウエルシュ菌は、酸素の少ない場所でも増殖することができ、さらに身を守るために芽胞を形成します。この状態になると、熱や消毒に対して高い耐久性を持つようになります。
  
ウエルシュ菌食中毒を引き起こすウエルシュ菌にはAからEまでの五つの方があるものの、ほとんどの場合にはエンテロトキシンを生成する能力を持ったA型を原因として発症することが多いです。食肉や魚介類などの食材は、ウエルシュ菌で汚染されている可能性が比較的高い傾向にあるため、適切な調理を必要とします。

ウエルシュ菌食中毒の治療法

ウエルシュ菌食中毒の予防のための対策方法としては、口にする料理の食材に対して、十分な衛生管理を適切に行う事が必要です。食肉や魚介類の食材は、できるだけ適切な温度で管理しなければなりません。また、加熱調理後には速やかに食することが大切です。
  
ウエルシュ菌は、他の菌に比べて活動できる温度の範囲が広いため、食材はできるだけ10度以下かあるいは50度以上で管理することが必要です。また、調理から時間が立った料理に関しては、再加熱を行ってウエルシュ菌の増殖やエンテロトキシンの毒素の生成を抑えることが必要です。