イヌ糸状虫症の症状

イヌ糸状虫症は、多くのパターンにおいて免疫細胞による除去が行われるため症状の発症は、ほぼありません。発症するのは高齢者が多く、40歳以下の人物が発症することは滅多にないと言われています。
発症した場合の症状の多くは、肺などの呼吸器に関するものであり、咳や胸痛などが発生します。発熱や痰などが見られることもあり、免疫が低い人ほど症状が重くなります。
リンパ液に寄生虫が侵入した場合には、皮膚の肥圧や、皮膚が象の足のように膨張して硬化する象皮病と呼ばれる皮膚の異常になることもあります。イヌ糸状虫症では、肺に寄生虫が侵入した場合には、X線検査などの胸部を写す検査を行った際に、影として写りこむこともあります。

イヌ糸状虫症の原因

イヌ糸状虫症は、寄生虫の一種であるフェラリアに感染した動物を吸血した蚊が、人を吸血することにより、体内にフェラリアが侵入することで感染します。フェラリアに感染した蚊に刺されば指さされるほど感染の確立が上がると言われています。
原因となる動物は、身近な所であれば、主に蚊を介してフェラリアに感染した、家庭内で飼育されている犬です。犬以外では、山中に生息している狐や狸などの野生動物が原因となります。
人に感染したフェラリアは、皮下組織や肺などに侵入し、肉芽腫を形成します。亜熱帯地方のフェラリアであれば、血液中やリンパ液中に侵入することも多く、体内で多くの幼虫を産み、臓器や皮下組織に様々な、異常をきたします。

イヌ糸状虫症の治療法

イヌ糸状虫症は、フェラリアに感染している動物の血を吸った蚊を媒介として人に感染するため、予防を行うには、蚊に吸血されないように注意する必要があります。
蚊の活動が活発になる夏には、蚊に対する忌避剤を室内に設置し、出来る限り蚊を寄せ付けないようにします。少量の水にも、蚊は発生するため、庭などにある水たまりを取り除くことも有効です。
山などの蚊が多い屋外で活動する場合には、虫よけスプレーを使用し、汗をかいたら出来る限りこまめに拭うと蚊を寄せ付けにくくなります。
犬などの動物を飼育している場合には、事前に予防接種や薬の投与を行い動物への感染を防ぎます。

治療は外科的成虫摘出すること、薬剤による成虫の殺滅、薬剤によるミクロフィラリアの殺滅を行う事です。