回虫症の症状

回虫症の症状には、突然の激しい腹痛や発熱、咳などがあります。感染初期の場合は、原因となるヒト回虫が小腸のなかでおとなしくしているので症状は現れにくく、幼虫が体内の器官に移ると、さまざまな症状があらわれます。

肺の場合は、発熱や咳、喘鳴などが起こり、血液の混じった痰がでることもあります。小腸のなかで、回虫が増え続けると、腸閉塞の症状を起こすこともあります。また、突然大量の回虫を嘔吐とともに吐きだしたり、便の中に混じったりして出てくることもあります。
便検査をすることにより、早期発見も可能となっています。

回虫症の原因

回虫症の原因は、ヒト回虫の卵が付着した食物を口にすることで感染します。卵は、土壌の中で一定の期間にわたって生存しているため、土壌で成長した野菜などに付着します。ヒト回虫の卵が付着している野菜を食べると、卵は腸内に侵入し、孵化するのです。

孵化した幼虫は、腸内の壁を破って体内に広がり成虫へと成長していきます。腸内にとどまっている場合でも、大量の卵を産みつけるのです。卵は便とともに排出されますが、卵を含んだ便が土壌の汚染へとつながっていきます。

成虫の長さは、およそ15cmから20cmあり、腸内で産卵を繰り返します。1~2年は生存することが確認されているので、早めの治療が重要となります。

回虫症の治療法

回虫症の予防で大切なのは、加熱処理した食品を食べることです。また、衛生状態にも細心の注意が必要です。ヒト回虫の卵を口にすることで感染してしまうため、糞尿を肥料にしている場合は、しっかりと洗浄し、熱処理をしてから食べるようにしましょう。

世界中で10億人もの感染者が確認されています。衛生状態の悪い地域に旅行した際に、回虫症に感染するリスクがあります。生ものはできるだけ避けたり、調理方法にも注意したりすることが大切です。
お薬はコンバントリンなど専門のお薬が用いられます