レプトスピラ症/ワイル病の症状

レプトスピラ症の症状は、風邪に似た急な発熱が特長的です。軽度の場合は、発熱のみで完治しますが、重度になると、黄疸や出血を伴います。感染後、5日から14日くらいの潜伏期間があります。

発症すると、発熱や悪寒、頭痛や筋肉の痛み、腹痛を伴います。風邪の初期症状に似ているため、注意が必要です。まれに、皮膚に発疹がでる場合もあります。症状が重くなると、黄疸や出血症状を起こす場合もあります。レプトスピラ症を経て、さまざまな臓器が冒される症状をワイル病と言い、ひどい黄疸と腎不全で死亡することもあります。急速に症状が進む感染症として知られており、重症化する前に専門医の診断を受ける事が重要となります。

レプトスピラ症/ワイル病の原因

レプトスピラ症の原因は、病原性レプトスピラ菌を保菌している動物の尿からの感染です。汚染された水や土壌から、人に感染します。人から人への感染はありません。

動物の腎臓内に保菌されて、尿の排泄によって水や土が汚染されます。病原性レプトスピラ菌に汚染された水や土に直接触れることで皮膚から感染します。この感染経路は、経皮感染と呼ばれています。また、汚染された水や食べ物から感染する経口感染もあります。

川や湖が汚染されている場合や、野生動物や家畜、ネズミなど共存している環境では、感染に最も注意が必要です。東南アジアや中南米地域では大流行の傾向があるので、旅行で訪れる際には注意が必要です。

レプトスピラ症/ワイル病の治療法

レプトスピラ症を予防するためには、ワイル病秋疫混合ワクチンが効果的とされています。流行が懸念される海外に行く際には、ワクチン接種を受けておくと感染のリスクが軽減されます。

ただし、血清型によってはワクチンの効果が期待されない場合もあります。流行時期には、水に関連したレジャーを控え、川などの水辺には入らないことや、飲み水、食べ物に注意することが大切です。万が一感染した場合は、抗生剤の投与による治療が必要となります。早期発見、早期治療が重要となります。