マンソン孤虫症まんそんこちゅうしょう

カテゴリ
感染症
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医師監修

マンソン孤虫症とは

マンソン孤虫症とは、マンソン裂頭条虫の幼虫が寄生している生き物の肉を生や加熱不十分な状態で食べて感染し、その結果発生する様々な症状です。通常脂肪の多い場所に寄生しますが、頭蓋内や脳などに寄生することもあります。成虫が寄生した場合は、内服薬で治療しますが、幼虫が寄生した場合は、手術により摘出しなければなりません。

マンソン孤虫症の症状

マンソン孤虫は全身のあらゆる場所に寄生する危険があります。最も多いのは皮下、とくに脂肪の多い場所とされており、胸部、腹部、大腿部が挙げられます。眼部や乳房部、陰嚢・陰茎部、脳にも寄生することが知られています。
典型的なマンソン孤虫症の症状としては、感染後一週間後程度に倦怠感を感じたり、不規則な発熱が続くことがあります。また、皮下に寄生した場合は、幼虫のいる場所にしこりやこぶができ、移動します。赤みやかゆみを伴うこともありますが、自覚症状がないことがあり、その場合は発見が遅れます。無自覚のまま体内における幼虫の生存期間が20年近くに及んだ症例の報告もあります。
脳に寄生した場合には、言語の発生に障害が生じるなどの他、全身の脱力から痙攣を起こすなど、脳腫瘍に似た症状を来たし、命に関わる場合があり非常に危険です。

マンソン孤虫症の原因

マンソン孤虫症の原因は、マンソン裂頭条虫の幼虫が寄生した生き物を食べて感染することです。
マンソン裂頭条虫の成虫は、イヌ、ネコ、キツネ、タヌキなどを宿主とし、小腸に寄生します。虫の卵は宿主の糞便とともに体外に排出されますが、第1中間宿主であるケンミジンコ類が水中でこれを摂取します。
ケンミジンコの体内で卵は幼虫が発育し、ケンミジンコを摂取したカエルなどの両生類、ヘビなどの爬虫類、鳥類、哺乳類が第2中間宿主となります。それをさらに上述のイヌ等の動物が食べることでマンソン裂頭条虫の一連の生態サイクルが完成します。
このサイクルの内のいずれか寄生された生き物を人間が摂取することでマンソン裂頭条虫に感染します。人間に感染した場合、成虫にならず幼虫のまま生き続けることがほとんどです。

マンソン孤虫症の治療法

マンソン孤虫症を予防する上で最も大切なのは、マンソン裂頭条虫の幼虫が寄生する生き物を、生のまま食べないことです。
通常口にする可能性がある最も注意する生き物はトリ、ついでブタやイノシシなどがあります。トリはササミを刺身やタタキで食べるメニューがありますが、感染のリスクがあるため要注意です。その他鶏肉に限らず、どんな肉でもよく加熱調理して食べるということが寄生虫の感染予防の観点から最も大切なことです。
また、民間療法として蛇や蛙の生肉、血を傷口に貼り付けるというものがありますが、感染の危険が高いので避けるべきです。特にヘビには多数の幼虫が感染しているので大変危険です。
また、ケンミジンコを口にする可能性がありますので、井戸や川の水をそのまま生で飲むことも避けた方が良いでしょう。
  • このコーナーは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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