ムンプス髄膜炎の症状

ムンプス髄膜炎は、おたふくかぜの症状の耳下腺の腫れが現れて5日ほどたってから発症することが多く、耳下腺が腫れる前や腫れがない場合でも発症することがあり、頭痛、発熱、嘔吐、などが現れます。10人に1人が発症するといわれていますが、髄膜炎の症状のない場合でも髄液の検査で異常値を示す感染者が多くいます。したがって、おたふくかぜの感染者の約半数がかかっていると考えられています。
ムンプス髄膜炎は、髄膜炎の中では比較的症状が軽い部類に入り治療後のほとんどは良好に回復します。しかし、髄膜脳炎を合併した場合には項部硬直や意識障害、けいれんなどが現れて、稀に顔面神経麻痺などの後遺症が残る場合があり注意が必要になります。

ムンプス髄膜炎の原因

ムンプス髄膜炎の原因である、ムンプスウイルスの感染経路は唾液を通じての空気感染や接触感染などにより感染します。潜伏期間は2~3週間です。感染する年齢は2~12歳の子供が一般的ですが他の年齢でも感染する場合もあり、大人がかかると重症化しやすくなります。しかし、子供や女性では感染しているのに症状がでない不顕性感染が約30~40%あります。
ムンプス髄膜炎は、脳を包んでいる膜にムンプスウイルスが入り込んでいる状態で、重症化すると脳内にも入り込み脳炎を起こす場合もあります。おたふくかぜはムンプス髄膜炎以外にもムンプス難聴、睾丸炎・卵巣炎、膵炎、心筋炎などの様々な臓器に感染して合併症を発症する場合があります。

ムンプス髄膜炎の治療法

ムンプスウイルスには特別な治療法が存在しないので、出ている症状に対しての治療を行う対症療法を行います。通常のおたふくかぜの治療では、食事は軟らかいものを摂取し、発熱や痛みが強い場合には鎮痛解熱剤の投与を行います。ムンプス髄膜炎の治療の場合では、必要により髄液検査が行われて輸液療法のために入院をすることもあります。
ムンプス髄膜炎の予防にはおたふくかぜのワクチン接種が効果的です。ムンプスウイルスの毒性を弱めて作った生ワクチンで1歳からの接種が可能です。また、不顕性感染している場合があるのでおたふくかぜの抗体検査をして抗体ができていればワクチン接種をする必要はありません。