急性精巣上体炎の症状

急性精巣上体炎の症状は、まず陰嚢内の精巣上体の一部に軽い痛みをともないます。その後、陰嚢全体に痛みをを感じるようになり陰嚢が固くはれ上がったり赤みを帯びてしまったりします。または精巣全体に痛みを感じる自覚症状を起こす場合もあります。
  
そして精管に沿って痛みが進行しているために大腿の付け根である鼠径部や下腹部に痛みを感じることがあります。他にも38度以上の発熱が起こったり、はれているところを圧迫すると強い痛みを感じることがあります。症状がさらに進行すると、陰嚢の中にうみがたまってしまい破れて出てしまうことがあります。
  
急性精巣上体炎は治療が遅れると慢性化してしまったり治療が困難になってしまうので、早期に治療する必要があります。またクラミジアによるものの場合は進行がゆっくりで症状が軽いとされます。

急性精巣上体炎の原因

急性精巣上体炎の原因は、原因が明らかでないことも多いです。高齢者の場合は前立腺肥大症や尿道狭窄、膀胱結石などの疾患や尿路にカテーテルを医療機関などで留置することによって尿路に菌が入り込み繁殖して急性精巣上体炎を起こしやすくなります。これらの炎症を引き起こす細菌は一般的には大腸菌や腸球菌が多いです。
青年層が急性精巣上体炎を引き起こす原因は、尿道炎です。尿道炎は性病のひとつでクラミジアや淋菌などの病原体が精巣上体にあがってしまうことによって炎症が起こります。
  
検査と診断は泌尿器科で、血液検査や尿検査、触診、エコーなどで確認することができます。また精索捻転症や精巣腫瘍と区別が難しい場合もあるので早めに受診する必要があります。小児の場合は精巣捻転症との鑑別にドップラー超音波検査を有用とされています。

急性精巣上体炎の治療法

治療法としては、ペニシリン系やセフェム系、ニューキノロン系、カルバペネム系等の抗生物質を主に使用して症状を和らげます。約2週間は続けるのが通常です。

急性精巣上体炎の予防方法としては、青年層の場合は性感染症による尿道炎が原因である場合が多いので性交渉を行う場合は、コンドームを使用して感染予防を行うことにより病気を回避することができます。
  
しかし高齢者の場合は、前立腺肥大、糖尿病などの基礎疾患が多いので、前立腺肥大の治療や血糖値の日ごろからのコントロールをすることが大切です。前立腺肥大に関しては前立腺そのものを小さくするお薬が登場してきています。