肩石灰沈着性腱炎の症状

肩石灰沈着性腱炎(石灰沈着性腱板炎)は、夜間に始まることの多い症状で、突然肩の関節に痛みが走り、肩を回したり動かすと痛く、手を上げられなくなることもあります。痛みで眠れなくなることもあります。服を着替える際や、髪の毛をとかしたり、さまざまな動作が関節痛のために行いにくくなります。

発症してから4週間ほど激しい痛みが続く場合や、約半年間中等度の痛みが続く場合など、重症度や痛みが続く期間もさまざまです。

こうした肩石灰沈着性腱炎は、40代から50代の女性に多く起こる病気であり、痛みにより動作が制限されるために日常生活に支障をきたしてしまいます。

五十肩などと間違えることもありますが、X線の撮影によって腱板部に石灰が見られることから、この病気の特定ができます。

肩石灰沈着性腱炎の原因

肩石灰沈着性腱炎の原因としては、肩の腱板内にリン酸カルシウム結晶が沈着することによって突然の炎症が起こります。

このリン酸カルシウムは石灰であり、はじめは濃厚なミルク状のものが、時間が経つと共に練り歯磨きのようなどろどろした物へと変わり、さらに硬い石膏状に変化していきます。石灰が硬くなり、どんどんと肩の腱板の中に溜まって膨らんでいくにつれて、痛みも増していきます。ひどくなると腱板断裂を起こすこともあり、この場合には激痛が走ります。

肩腱板に石灰が沈着する原因については、はっきりとは解明されていませんが、熱を加えると収縮するソーセージやベーコン、フライドポテトなどの収縮性食品の摂りすぎも関係あると言われています。

肩石灰沈着性腱炎の治療法

肩石灰沈着性腱炎の予防対策としては、40代を過ぎた女性は常日頃から肩の痛みに気を付けておくことが大切です。夜中に肩の痛みが生じた場合には、この病気が疑われます。

食生活にも気を付けて、現代人が好きなウインナーやフライドポテト、焼き肉、焼き鳥などの食べすぎには気を付けるようにしましょう。

また肩の痛みが生じた場合にはすぐ病院へ行き、X線撮影をしてもらい石灰の有無を調べる必要があります。石灰沈着が見られた場合には、腱板に針を刺して石灰を破り、ミルク状の石灰を吸引します。消炎鎮痛剤を服用したり、麻酔注射を打ったりすることにより、痛みが治まります。