膝蓋腱損傷の症状

膝蓋腱損傷の症状としては、激しい疼痛が発生します。歩くことも困難になり、膝関節を動かすことがほとんどできない状態になります。一般的に多い事例としては、スポーツ競技などにて走っているとき、急に膝関節に痛みが生じて転倒するケースが多いです。また、外力のはたらきではなく、糖尿病などに起因して膝蓋腱損傷になる場合もあります。

その場合は、外傷での症例に比べると、症状の程度は比較的軽く、疼痛があったとしてもさほど強くなかったり、歩行に関しても、歩けないというほどではなく、多少の不自由を負いながらも歩行は可能なレベルであることがあります。診断は、レントゲン検査をすることにより、膝蓋骨の上方転位を確認することで確定します。

膝蓋腱損傷の原因

膝蓋腱損傷は、膝蓋腱が断裂してしまう状態で、膝蓋腱は、膝蓋骨から脛骨までをつなぐ部分です。
膝蓋腱が断裂してしまう主な原因としては、急激に膝を伸ばそうとした力が働いた時に、膝蓋腱が筋力に耐え切れなくなることによって断裂することが多いです。たとえば、陸上競技などのスポーツを行っているときや、自動車運転中の衝突などの交通事故、作業中の高所からの転落事故などを挙げられることができます。
その他、外力や外傷などを伴わない場合にも膝蓋腱損傷を負ってしまう事例もあります。たとえば、糖尿病や関節リウマチなどの基礎疾患を持った人が、発症することがあります。
いずれの場合でも発症した際は、手術が必要です。基礎疾患を持った人の発症の場合も歩行困難であれば手術を受けることを考える必要があります。

膝蓋腱損傷の治療法

膝蓋腱損傷の予防方法としては、外力が加わったり外傷を負ったりすることが要因である場合は、スポーツを行うときには充分な事前運動を行うことや、無理をしすぎないことなどが挙げられます。また、自動車事故を起こさないように十分に注意する必要があります。また、危険な区域で作業を行うときは徹底した安全管理を行うことなどが挙げられます。
また、基礎疾患が原因で発症した場合、根本原因となる糖尿病などにならないように、規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事、毎日の適度な運動を行うなどの生活習慣の改善が必要です。関節リウマチに関しては、喫煙が大きく影響を与えるので、禁煙するなどの対策が有効です。

治療は、受傷後なるべく早期に手術をすることが大切です。時間が経つと、腱移植などによる再建術が必要になる場合があります。