血管肉腫の症状

血管肉腫は、短期間のうちに瘤となって隆起、もしくは淡紅色から暗紅色の打ち身のような、紫斑・紅斑として現れます。痛みを伴うこともありますが、痛みを伴うことは比較的少ないです。
  
下肢、上肢、体幹部に発生しますが、高齢者の頭部や額にも好発します。進行すると、浮腫や皮膚が糜爛し出血やかさぶた等を伴います。その他、循環障害、感染、潰瘍となる場合があります。
  
全体の約3分の1の症例では、血液の機能の障害が確認7されており、貧血や血液凝固機能の異常が認められます。また発生部位から血液やリンパ液を通じて、転移することが多く、肝臓・肺・リンパ節・骨等に転移が発生します。治療を行っても再発する可能性も高い病気です。

血管肉腫の原因

肉腫はがんの一種であり、遺伝子に異常が生じて、異常な細胞増殖が発生する病気です。そのため、血管肉腫も同様に遺伝子に異常が生じていると考えられています。しかし、なぜ遺伝子に異常が生じるかはいまだ不明確な状態です。
  
ただし、高齢者の頭部に発生する血管肉腫では、約50%の患者では、頭部にドアに頭をぶつけたというような怪我の履歴があります。そのため外的刺激によって血管肉腫を誘因するのではないかと考えられています。

血管肉腫の治療法

血管肉腫の治療法は、病気自体が希少であるため、確立されておらず医療機関によってまちまちの状態です。
  
紫斑や紅斑などの状態であるならば、外科的切除が有効ですが、目・耳・鼻等の器官の近くであれば機能を失うことになるため回避され、放射線療法とインターロイキン2治療、多剤併用化学療法がおこなわれます。
  
ただし、紫斑や紅斑等の場合には有効ですが、病気が進行し、隆起を伴う、潰瘍へ移行していた等の場合には、効果が得られないことが多いため、できる範囲での手術を行うこととなります。