筋強直性ジストロフィーの症状

成人型の筋強直性ジストロフィーは20~30歳代で好発します。筋力低下よりも先に筋強直現象から発症するケースが多く見られます。
  
手がこわばってうまく開けない、口の開閉がスムーズにいかないなどが主な症状です。顔面の筋力低下は高頻度でみられ、表情が乏しく、頬がやつれたような顔になります。瞼が下がり見えにくくなったり、物が飲み込みにくくなることもあります。
  
他に、白内障、耐糖能異常、内分泌異常、心伝導障害などがみられることもあります。軽症の場合、白内障や耐糖能異常のみを示すこともあります。先天型では、新生時期から強い筋強直と筋力低下、中枢神経障害がみられます。

筋強直性ジストロフィーの原因

筋強直性ジストロフィーには、DM1型とDM2型の2つのタイプが存在します。
  
日本ではほとんどがDM1で、19番染色体にあるDMPK(ミオトニンプロテインキナーゼ)遺伝子内のCTGの3塩基反復配列の異常伸長が原因です。反復の数が35回以下は正常、50回以上が異常とされています。
 
一般に、CTGの3塩基反復配列の数が多いほど早期に発症し、重症となる傾向があります。筋強直性ジストロフィーは常染色体優性遺伝の疾患です。親より子、子より孫と、世代を経るにつれ反復配列の数が増加し、症状は重くなります。先天型では数千以上反復がみられます。

筋強直性ジストロフィーの治療法

筋強直性ジストロフィーは、常染色体優性遺伝の疾患のため、予防することはできません。また、現時点で根治的な治療方法も確立されていないため、治療は対症療法が中心となります。
  
筋力低下に対しては足用の装具や車椅子などを使用し、リハビリテーションをおこないます。筋強直が非常に強い場合は、抗てんかん薬などの薬物療法がおこなわれることもあります。また、不整脈や白内障、糖尿病などの合併症には、それぞれに対する治療が必要となります。