先天性内反足の症状

先天性内反足は、出生児より両足もしくは片方の足が内側に曲がっている足の変形です。生まれてすぐ比較的容易に判断ができるため、産科で指摘されることがほとんどです。変形は、内反(かかとが内側に傾いている)、尖足(足の先が下を向いている)、内転(足の前半分が内側に反っている)、凹足(偏平足とは逆に土踏まずのアーチが高い)の4つが複雑に絡みあっています。
  
足首が硬く、軽症の場合は手で真っすぐに近い状態まで動かすことができますが、重症の場合は足首はほとんど動きません。足首の動きが良好で、手で容易に正常な位置に戻せる場合は胎内での位置が影響している内転足で、先天性内反足ではありません。

先天性内反足の原因

先天性内反足の原因として、遺伝子が関与している説、胎内(妊娠9週頃)での足の発育障害説、胎内での位置や圧迫によるという説などがありますが、はっきりした原因はわかっていません。また、本質的な異常が関節、骨、筋、靭帯のどこにあるのかも特定されていません。
  
先天性内反足の発症率は、日本ではおよそ1000人に1人とされていて、2:1で男児に多くみられる疾患です。内転足、内反位足、筋ジストロフィー、二分脊椎、脳性麻痺など、他疾患の症状として内反足がみられる場合もあるので、これらの疾患との識別が必要となります。

先天性内反足の治療法

先天性内反足は予防できませんが、早い段階で治療を開始することで矯正できます。生後1~2週間頃から徒手矯正(用具などを使わずに医師が手で矯正する)とギプス固定をおこないます。ギプスは週1回のペースで巻き替え徐々に矯正をおこないます。尖足の矯正のために途中でアキレス腱を切る手術を行うこともあります。
  
ギプス固定による矯正が終了すると、足を固定する装具を装着します。成長期間中は再発する可能性もあるため、装具は長期間の装着が必要です。矯正終了後はスポーツもできるようになります。