顎骨骨髄炎の症状

顎骨骨髄炎の症状には、局所的なものと全身的なものがあります。局所的症状としては、虫歯や歯周炎などをきっかけに歯茎が広範囲にわたり赤く腫れ上がり、その結果、歯がグラグラする、歯茎から膿が自然と出るといったことが挙げられます。
  
歯や歯周、歯槽骨の深い部分に激痛が走り、周辺の数歯に渡り、歯茎のゆるみやグラグラ感が見られます。歯を叩くと痛む、腫れのある方の下唇に知覚異常を感じるといった症状も現れます。
  
骨髄の中で病変悪化が進行すると、痛みの範囲が広がり、痛みが強くなります。しかし、痛みが軽い場合があり、慢性化する場合もあります。全身的な症状としては、悪寒を伴う高熱、倦怠感、食欲不振が見られます。

顎骨骨髄炎の原因

顎骨骨髄炎は、歯の病変との関係性が高いと言われています。
  
具体的な原因としては、以下のようなことが挙げられます。
・虫歯や歯周病などの炎症の広がりによるもの
・顎の骨折や腫瘍など二次感染
・歯を抜いたあとの細菌感染
・根管治療の際に使用した薬による影響
・骨粗鬆症治療に用いるビスホスホネート剤の使用を伝えずに、インプラントなど外科的処置を行ったことによるもの
  
他にも、栄養障害や免疫力の低下、代謝障害など全身のコンディションが優れない場合や糖尿病など全身疾患が原因となり引き起こされます。口腔内だけでなく全身症状を含め、長い経過をたどるため、口腔外科での治療を早めに始めることが大切です。

顎骨骨髄炎の治療法

虫歯や歯周病などが悪化することで顎骨骨髄炎の発症リスクを高めます。
  
そのため、定期検診で歯を健康に保つことや虫歯や歯周病など病変がある場合には早めの受診が大切です。また、抜歯後の細菌感染を防止するためにも、再受診はもちろん、口腔内環境を清潔に保つことも注意したいところです。
  
骨粗鬆症の治療薬を服用していてインプラントなど外科治療を行う場合には、歯科医にその旨を伝えます。主治医の判断によりますが、治療の前後3か月の服用を止めることで顎骨骨髄炎を予防できると言われています。