神経線維腫症1型の症状

神経線維腫症1型は、出生時のカフェオレ斑が特徴的で、診断のための一種の目印となっています。カフェオレ斑とは、飲料のカフェオレに似た色味を持つ、独特のあざのことです。あざは楕円のような形状を示すことが多く、色の濃淡はありません。
また神経繊維腫という柔らかい結節が皮膚に思春期頃から徐々に増加してきます。
また、その他の症状としては、
・乳児期から幼児期に多く起こる視神経の周りの細胞に腫瘍化を起こす視神経膠腫(多くは無症状)
・児童が多く発症し、骨に変形などの異変をもたらす骨変化
・まれに末梢神経線維腫が悪性化することもあります。
・目の内部に小さな発疹を起こす虹彩小結節
などがあります。
・知能障害、けいれん、学習障害やADHDを伴うこともあります。
・聴神経腫瘍や髄膜腫、脳脊髄腫瘍などをも起こすことがあります。
まれに、高血圧の症状を起こすケースも存在します。

神経線維腫症1型の原因

神経線維腫症1型の病気が発症する原因は、17番染色体上部にある「ニューロフィブロミン」と呼ばれる遺伝子に異常をきたすことです。このニューロフィブロミンは、主にタンパク質を生成する遺伝子として知られています。

この疾患を発症する割合は、おおよそ3000人に対して1人です。男女による発症の差は特にないとされ、比較的まれに発症する病気となっています。

また、神経線維腫症1型は、遺伝的要素が認められる疾患です。両親のうちどちらかに神経線維腫症1型、つまりニューロフィブロミンに変異がある場合には、半数程度の子どもに罹患する可能性があります。

神経線維腫症1型の治療法

神経線維腫症1型は、誕生する以前の段階においてニューロフィブロミンに変異が起こってしまうことによって発症する疾患です。

先天性であるために、この病気を予防する方法は現段階では特にありません。また、神経線維腫症1型を根治させる方法も、現段階では発見されていません。

しかし、対症療法的に、症状に対する治療を受けることが可能です。神経線維腫は、まれに悪化することがありますが、この病気を発症すること自体で命に危険が及ぶことは稀です。